国の特別天然記念物「湧玉池」
「湧玉池」は静岡県富士宮市の「富士山本宮浅間大社」の境内にある国の特別天然記念物に指定されている湧泉です。
池の底から玉の様に水が湧き出すので「湧玉池」と名づけられました。湧水は富士山の雪融け水が地下の幾重もの溶岩層を抜けて、長い年月をかけて湧き出してくる「富士山御霊水」です。
水温は年間を通して13℃、水量は3.5リットル/秒あり、毎日20万トンの水が湧き出しています。
湧水はすぐ傍の神田川の水源となっており、神田川から潤井川と合流し、田子の浦港、駿河湾へと流れています。平安時代の歌人平兼盛は湧玉池について次のように詠っています。
「つかうべきかずにをとらん浅間なる御手洗川のそこにわく玉」。
そうした富士山に深い関わりを持つ「湧玉池」には今では沢山の鯉が泳ぎ、近くには鳩の群れが見られます。
富士登山の禊の場
古来より富士山を神として信仰する「富士山信仰」では、信仰活動の一つとして「富士登山」をする人々が後を絶ちませんでした。
神聖な場所とされる富士山に足を踏み入れるには己自身も身を清めなければならないとの事で、登山前に禊をする事が慣習となりました。
登山者は「湧玉池」で身を清めて「六根清浄」を唱えて登山したのです。
六根清浄とは人間の五感に意識の第六感を加えた六根(六感)で、これらを清めてから霊峰富士に臨んだのです。
「平成の名水百選」
「湧玉池」は平成20年6月5日に環境省により発表された「平成の名水百選」の一つに選ばれています。
名水については既に環境省が昭和60年に「名水百選」を選定していますが、選定後20年以上も経過し、水質・生態系等の自然環境や保全環境も変化している事を鑑み、「平成の名水百選」の選定を行いました。
「平成の名水」選定にあたっては単に水質・水量等の水自体の評価だけでなく、現地の自然環境に加え、水利用の状況や伝統、環境保全活動なども考慮されました。
水が綺麗かどうかだけでなく、その綺麗な水をいかにして守っているかの取り組みも重要とされました。
「湧玉池」は昭和27年(1952年)に国の特別天然記念物に指定されていますが、平成20年に新たに「平成の名水百選」の一つに選ばれました。
富士山御霊水の「水汲み場」
「湧玉池」の傍には「富士山御霊水」を祀る「水屋神社」があります。
神社の手前左手には「水汲み場」があり、自由に水を汲む事ができます。「水汲み場」には竹の樋が備え付けられ、樋の穴10箇所から湧水が流れています。
もちろん神社の正面には飲用の水が流れる石鉢があり、柄杓を使って飲む事ができます。
神聖な富士山の雪解け水が何十年もの歳月をかけて何層もの溶岩層に濾過されてきた水は、まさに富士山の恵みたる「御霊水」です。
富士山の溶岩層を浸透しているので、バナジウムなどの天然ミネラルを豊富に含む天然の「富士山バナジウムウォーター」です。
隣には国指定特別天然記念物の「湧玉池」もあることから、水質の高さは折り紙つきです。
しかし、神社前の案内板には飲用の際には一応煮沸を勧めているので、ご注意下さい。
周辺観光案内
浅間大社のある富士宮市街には数多くのおすすめスポットがあります。
まず、浅間大社駐車場内には富士山特産品振興会の共同販売所の「ここずらよ」があります。
店内には富士の藪北茶、富士の地酒、菓子類など地元特産品が並んでいます。
又、浅間大社駐車場前の「お宮横丁」には富士宮やきそば学会のアンテナショップをはじめ、「富士宮やきそば」、「富士朝霧放牧豚」、「鱒バーガー」、「ジェラート」など地元の食材にこだわった食事処があります。
歴史と伝統のある浅間大社で参拝した後は富士宮の観光地といして名高い「白糸の滝」や「朝霧高原」に寄るのもおすすめです。
詳細情報
- 住所 〒418-0067 静岡県富士宮市宮町1-1
- 電話 0544-27-2002
- URL http://www.fuji-hongu.or.jp/
- 参拝利用時間 4~9月 5:00~20:00 3月・10月 5:30~19:30 11月~2月 6:00~19:00
- 駐車場 150台(200円/1時間)※参拝時20分無料、以後有料
- アクセス 東名富士インターより西富士道路経由で約20分 / 国道139号線沿い富士宮東高前交差点南へ富士宮市役所方面へ / 又は国道139号線と富士山スカイラインの交差点を南へ
周辺地図
周辺観光情報
白糸の滝 / 小田貫湿原 / 東海自然歩道 / 朝霧アリーナ / 毛無山 / 朝霧高原 / 田貫湖 / 富士花鳥園 / 富士美術館 / 狩宿の下馬桜 / 富士山天母の湯 / 和敬庵(朝霧高原そば) / 富士宮奇石博物館 / まかいの牧場 / 富士ミルクランド / SKY朝霧 / ドライブインもちや / 富士養鱒場 / 鱒の家 / 「道の駅」朝霧高原
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