富士山周辺のB級グルメ
富士山周辺は、庶民の味が息づく魅力的な食の宝庫です。この地域を代表するB級グルメといえば、まず「富士宮やきそば」が挙げられます。コシの強い麺と濃厚なソースが特徴で、2006年のB-1グランプリで優勝し、全国的な知名度を獲得しました。また、「吉田のうどん」は富士吉田市の郷土料理で、コシの強い麺が特徴です。静岡県富士市では「つけナポリタン」が人気を集め、三島市の「三島コロッケ」は地元産のジャガイモを使用した逸品です。さらに、山梨県甲府市の「甲府鳥もつ煮」は2010年のB-1グランプリで優勝し、地域の誇りとなっています。これらのB級グルメは、地域の文化と誇りを体現し、観光客と地元の人々の両方に愛されています。
そんなB級グルメは元々地元に郷土食のように愛されていたもので、富士山周辺でも「富士宮やきそば」に勝るとも劣らないB級グルメが名乗りを挙げたのです。以下、富士山周辺のB級グルメを列挙してみましょう。
「富士宮やきそば」発祥のB級グルメ
以前はただ地元の人に細々と食されているだけだったB級グルメも、今や全国に発信する町おこしの原動力となりました。「富士宮やきそば」ブームからはじまったB級グルメは、全国の地域グルメの活性化につながり、莫大な経済効果を生み出しました。富士宮市にしてもブームによる経済効果は数百億円ともいわれ、地域の雇用を創出する事にもつながりました。市内で細々と営業していた焼きそば屋は息を吹き返し、閉店間際だった店は立ち直り、人を雇うまでになったのです。「富士宮やきそば」から始まったB級グルメブームは全国に波及し、各地での雇用創出・経済効果を生んだのです。
富士宮やきそば (静岡県富士宮市)
富士宮やきそばは、静岡県富士宮市発祥の郷土料理で、独特の蒸し麺が特徴です。コシが強く噛み応えのある麺に、肉かすやイワシの削り粉を加え、特製ソースで味付けします。麺は水分を抑え、油でコーティングするため、通常のやきそばとは異なる食感が魅力。2006年のB-1グランプリで優勝し、全国的に知名度を高めました。地域の食文化を代表する人気メニューとして、多くの人に愛されています。
つけナポリタン (静岡県富士市)
つけナポリタンは、静岡県富士市吉原商店街で2008年に誕生した地元B級グルメです。トマトソースと鶏ガラスープをベースにした特製つけダレに、中華麺を絡めて食べる料理。麺の種類や具材は店舗によって異なり、チーズや蒸し鶏、桜エビなどがトッピングされます。学校給食にも取り入れられ、地域に定着した人気メニューとなっています。
三島コロッケ (静岡県三島市)
みしまコロッケは、静岡県三島市の特産品である三島馬鈴薯(メークイン)を100%使用したご当地グルメです。2008年に誕生し、規格外のジャガイモを活用する地域活性化プロジェクトから生まれました。2009年、2010年のB-1グランプリで連続入賞を果たし、全国的に知名度を高めました。各店舗によって具材や形状が異なり、多様な味わいが特徴です。三島馬鈴薯の収穫時期である6月から12月頃まで販売され、サクサクとした衣としっとりとした中身が人気です。現在、三島市内外で1,241店舗で販売されており、地域の農業と観光を結びつける重要な食文化となっています。
すその水ギョーザ (静岡県裾野市)
すその水餃子は、静岡県裾野市の特産品モロヘイヤを皮に練り込んだ緑色の水餃子です。キャベツ、豚肉、ニラ、地元の茶葉を具材とし、油を使わないヘルシーな餃子が特徴です。2006年に地域活性化の一環として誕生し、B-1グランプリでも入賞。スープの種類や提供方法が多彩で、市内50店以上で提供されています。マスコットキャラクター「すぅちゃん」も人気です。
静岡おでん (静岡県静岡市)
静岡おでんは、静岡県を代表するB級グルメで、特徴的な真っ黒なスープが印象的です。この黒い出汁は、濃口醤油や牛スジから取った旨味が継ぎ足されており、長年の歴史を持つ秘伝の味わいです。具材には、静岡名物の黒はんぺん(青魚を使った練り物)や大根、こんにゃく、ちくわなどが串に刺さって煮込まれています。食べる際には、青のりやだし粉を振りかけるのが一般的で、香ばしさが加わります。また、静岡おでんは駄菓子屋でも楽しめる身近な料理であり、地域の人々に愛され続けています。冬だけでなく一年中食べられるこのおでんは、静岡県民のソウルフードとして親しまれています。
吉田のうどん (富士吉田市)
吉田のうどんは、山梨県富士吉田市を中心に広がる郷土料理で、特にその特徴的な太くてコシの強い麺が魅力です。このうどんは、通常のうどんとは異なり、断面が四角に近く、硬めに仕上げられています。具材には茹でキャベツや馬肉が使われ、味噌と醤油をブレンドした特製のつゆで楽しむのが一般的です。また、辛味を加えるための「すりだね」と呼ばれる調味料も欠かせません。吉田のうどんは、もともと家庭料理として親しまれ、各店ごとに独自のスタイルが存在します。2007年には「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれ、地域の誇りとして多くの人々に愛されています。観光客だけでなく地元住民にも親しまれ、富士山を背景にした美しい風景の中で味わえる一杯は、訪れる人々にとって特別な体験となるでしょう。
甲府鳥もつ煮 (山梨県甲府市)
甲府鳥もつ煮は、山梨県甲府市発祥の郷土料理で、鶏の砂肝、ハツ、レバー、きんかんを甘辛いタレで強火で照り煮にした料理です。1950年頃、そば屋で考案され、2010年のB-1グランプリで優勝。そば屋や居酒屋で提供され、前菜やお酒のつまみとして人気があります。鳥のもつ本来の旨みと濃厚な甘めのタレが特徴的な一品です。
B級とは「庶民の味」
どれもこれもおいしいのですが、共通点はやはり「B級」であること、庶民の味という事ではないでしょうか。キャビアやマツタケの様な高級食材を使う料理ではいくら生産が盛んでも庶民の味というわけにはいきません。「富士宮焼きそば」にしても昔から普段から食べている料理だからこそ馴染み深いし親しみやすいのです。
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