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甲府鳥もつ煮とは?|山梨のB級グルメ【発祥・作り方・おすすめ通販】

甲府鳥もつ煮 グルメ
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第1章|甲府鳥もつ煮とは?基本の定義と特徴

「甲府鳥もつ煮」は、鶏の内臓(レバー・ハツ・砂肝・“きんかん”〈未成熟卵〉・ひも など)を、少量の醤油ダレで強火のまま短時間で煮絡め、照りを出して仕上げる山梨・甲府の郷土料理です。
一般的に“もつ煮”というと、味噌や醤油の汁でコトコト煮込むスタイルを連想しますが、甲府の鳥もつ煮は汁気を飛ばす「照り煮」が最大の特徴。鍋肌でタレを煮詰めることで、つやのある見た目と、香ばしく濃縮した甘辛の味わいが生まれます。

甲府鳥もつ煮ともつ煮込み
甲府鳥もつ煮ともつ煮込み

味の方向性は、醤油×砂糖(+みりん・酒)を軸にした甘辛で、たとえるならうなぎの蒲焼きのタレのような上品でコクのある風味。キリッとした醤油の香りと、砂糖やみりんのまろやかさが一体になり、白ごはんにもお酒にも抜群に合う“万能おかず”として親しまれています。

部位ごとの食感のコントラストも魅力です。

  • 砂肝…コリコリとした歯ごたえで噛むほど旨味がにじむ
  • ハツ(心臓)…ぷりっと弾力があり、噛み切りやすい
  • レバー…なめらかで濃厚、タレとの相性が抜群
  • きんかん…プチッと弾ける独特の食感とコク(“黄色い丸”の正体)
  • ひも(玉ひも)…タレが絡みやすく、全体の食感をつなぐ役

提供のされ方は、小鉢の一品としてはもちろん、どんぶり飯にのせた「鳥もつ丼」も定番。蕎麦屋の“待ち肴”として生まれた背景から、蕎麦・うどんの付け合わせにもよく合います。仕上げに山椒をひと振りしたり、おろし生姜を添えたりすると、甘辛の中に爽やかな香りが立ち、後味がぐっと締まります。

家庭で再現するときの要点はシンプルで、

  1. 下処理で水気と余分な血をしっかり除く
  2. 鍋に残るタレが“線”を描くくらいまで強火で一気に煮詰める
  3. 照りが出たら火を止めて手早く絡める
    ――この3つだけで、甲府らしい“照りと香ばしさ”に近づけます。

ひと目でわかるポイント

  • 定義:鶏もつを汁なしの照り煮で仕上げる甲府の郷土料理
  • :醤油ベースの甘辛×香ばしさ(ごはん・酒どちらにも合う)
  • 食感:砂肝のコリコリ/ハツのぷりっ/レバーのなめらか/きんかんのプチッ
  • 楽しみ方:小鉢・鳥もつ丼・蕎麦の相棒。山椒や生姜で後味を調整

――以上を踏まえると、「甲府鳥もつ煮」は“短時間で旨味を凝縮させる照り煮”という独自スタイルが生んだ、食感も味も楽しいご当地メニューだとわかります。

第2章|発祥と歴史|蕎麦屋の小鉢から始まった物語

蕎麦屋の小鉢として供される鳥もつ煮
蕎麦屋の小鉢として供される鳥もつ煮

戦後の甲府で生まれた“もったいない”の知恵

甲府鳥もつ煮の原点は、戦後間もない昭和25年ごろ。物資が乏しかった時代、甲府市の老舗蕎麦屋「奥藤本店」で、当時は捨てられることも多かった鶏の内臓を「安くて旨い一品にできないか」と工夫したのが始まりと伝わります。レバーやハツ、砂肝、卵巣内の未成熟卵(きんかん)などを甘辛い醤油ダレで強火のまま短時間で煮絡める――いわば“照り煮”という独自の技法は、この“もったいない精神”から生まれました。

そばを待つ“つなぎ”から、市内の定番へ

蕎麦屋の小鉢として供される鳥もつ煮
蕎麦屋の小鉢として供される鳥もつ煮

考案当初は、蕎麦をゆで上げるまでの“待ち肴(まちざかな)”として小鉢で提供。濃厚な甘辛ダレと香ばしい照りは酒肴にもぴったりで、口コミで評判が広がります。やがて甲府市内の蕎麦店や飲食店へ波及し、鳥もつ煮は“甲府の小鉢”として定着。丼飯にのせる「鳥もつ丼」などの派生スタイルも生まれ、ランチの定食や夜の一品として幅広く楽しまれるようになりました。

“発祥の店”と伝承エピソード

発祥の店として知られる奥藤本店には、地元の鶏肉卸とのやり取りや試行錯誤の逸話が伝わっています。甘辛ダレの配合や火入れ加減、タレを煮詰めて“照り”をつくる調理の勘どころは、まさに蕎麦屋の段取りと手際から育まれたもの。地域では発祥を示す案内や記念の表示も見られ、甲府の食文化の一部として語り継がれています。

郷土の味へ――“日常の小鉢”が“まちの名物”に

家庭でも作りやすい材料と手順、そしてご飯にも酒にも合う万能性が支持を押し上げ、鳥もつ煮は日常の小鉢から“甲府の名物”へと成長しました。現在では市内の多くの店で提供され、観光客が旅の途中で必ず食べたい一皿としても人気です。次章では、この郷土の味がB-1グランプリで全国区の知名度を得るまでの歩みと、PRを担った市民団体の活躍をご紹介します。

第3章|B-1グランプリ優勝とPR戦略

B-1グランプリ(イメージ画像)
B-1グランプリ(イメージ画像)

市民団体がけん引した“全国区”への躍進

甲府鳥もつ煮が一気に知名度を伸ばした転機は、2010年「B-1グランプリ in 厚木」ゴールドグランプリ(優勝)です。大会は過去最多の43団体が出場し、来場者は約43万5千人。割り箸投票で最多得票を獲得し、初出場での頂点に立ちました。
この成果を支えたのが、甲府市職員の有志が中心となって2008年に結成した地域おこし団体、「みなさまの縁をとりもつ隊」。イベント出展や情報発信を重ね、地元の味を“人の縁をとりもつ”物語として伝え続けてきました。

戦略①:物語化と現場力

PRの核は、“汁なしの照り煮=甲府独自”というわかりやすい訴求と、その場で強火で煮からめて“照り”を立てるライブ感。会場でも家庭でも再現しやすい調理法が、試食体験の満足度を高めました。

戦略②:ゆるキャラとメディア露出

「とりもっちゃん」「えん丸くん」といったマスコットが登場し、写真映えと話題性を創出。テレビ・雑誌・Webでの露出が加速し、“B級グルメの聖地・甲府”のイメージ形成に寄与しました。

戦略③:地域一丸の受け皿づくり

優勝後は、市内の蕎麦店・居酒屋・食堂が提供を拡大し、50軒超の提供店という“食べ歩きの土台”が整備。観光導線(甲府駅前・石和温泉・河口湖など)と結びつけ、来訪者がいつでもどこでも味わえる状態をつくりました。

受賞がもたらした波及効果

グランプリ直後は提供店に行列ができ、観光客の来訪と経済効果が顕著に。以後、お土産・レトルト・冷凍などの製品化やふるさと納税の拡充で、家でも旅先でも楽しめる“二地点供給”が進みました。

まとめ:“甲府らしさ”を一皿で語る技法(照り煮)× 市民主体の物語発信。この掛け算が、甲府鳥もつ煮を地域ブランドの成功例へと押し上げました。次章では、どこで食べる?元祖・人気店・観光エリア別の実用ガイドに進みます。

第4章|どこで食べる?元祖・人気店・観光エリア別案内

元祖の味からはじめる

甲府鳥もつセット
甲府鳥もつセット
鳥もつ丼
鳥もつ丼

まずは発祥として知られる奥藤本店へ。そば屋ならではの手際で、強火の“照り出し”を体感できます。はじめての方は小鉢(鳥もつ)+そばの組み合わせか、ボリューム重視なら鳥もつ丼がおすすめ。お昼は売り切れや混雑が出やすいので、開店直後かピーク前の来店が安心です。

エリア別の探し方(観光動線に沿って)

  • 甲府駅前エリア
    駅から徒歩圏にそば店・居酒屋が点在。電車旅の人でも立ち寄りやすく、ランチ~早めの夜向き。
  • 石和温泉エリア
    温泉旅館が集まる一帯。湯上がりの一杯+鳥もつは相性抜群。夜は早じまいの店もあるため、夕方の入店を目安に。
  • 河口湖・富士吉田エリア
    富士五湖観光と一緒に楽しみたい方に。観光施設近くの食堂・そば店で見つかることが多く、ドライブ途中の昼食に最適。
  • 道の駅・サービスエリア周辺
    レストランや物産店でテイクアウトパック惣菜が手に入る場合あり。保冷バッグがあると安心。

メニュー選びのコツ

鳥もつ煮の小鉢
鳥もつ煮の小鉢
  • “小鉢(鳥もつ)”で基本の照りを味わう
    まずは定番の甘辛い照りと香ばしさを、そのまま。
  • 丼にすれば“ご飯泥棒”
    タレがご飯に絡むと満足度が段違い。温玉/山椒/おろし生姜など、店ごとのトッピング違いも楽しい。
  • “きんかん多め”が好きな人は一言
    応じてくれるお店も(難しい場合もあります)。気軽に相談を。
  • 蕎麦・うどんの相棒に
    もともと“待ち肴”なので、そば前(お酒)→鳥もつ→締めのそばは鉄板コース。

予算感とボリューム感(目安)

  • 小鉢:一人前でお酒の肴にちょうど良い量。
  • :男性でも満足しやすいボリューム。ご飯量の調整ができる店も。
  • 定食:小鉢+ご飯+味噌汁などのセットで、ランチ向き。

行列・売り切れ・営業時間の“あるある”

  • 土日祝や連休は行列前提。ピーク回避(開店直後/14時台後半)の工夫を。
  • 売り切れ終了の店も。遠方から向かう場合は事前の営業時間確認がおすすめ。
  • 夜は早じまいの地域性があるため、夕食は早めの入店が安全です。

テイクアウト・お土産の楽しみ方

  • 持ち帰りパック:温め直しやすく、家飲みの主役に。
  • 冷凍・レトルト・ふるさと納税:旅の後日、家庭で再現しやすい選択肢。
  • 持ち帰り時は保冷バッグ/保冷剤があると安心(特に夏場や長距離移動)。

第5章|家庭で再現!基本レシピとプロっぽいコツ

強火でタレを煮詰め“線”が残る照り出しの瞬間
強火でタレを煮詰める

“甲府らしい照り”は、強火×短時間でタレを煮詰めるだけで驚くほど再現できます。まずはベーシック版から。

材料(2~3人分)

甲府鳥もつ煮の材料
甲府鳥もつ煮の材料
  • 鶏レバー…150g(血抜き済み)
  • ハツ(心臓)…100g(縦半分に割って血を洗う)
  • 砂肝…100g(白い固い部分を軽くトリミング)
  • きんかん(手に入る場合)…100g
    ※なければレバーを増量でもOK
  • しょうゆ…大さじ3
  • 砂糖…大さじ2(甘さ控えめなら大さじ1.5)
  • みりん…大さじ1
  • 酒…大さじ2
  • 生姜(薄切りorせん切り)…ひとかけ分
  • ごま油(またはサラダ油)…小さじ1
  • 山椒(粉)・おろし生姜・七味…お好みで仕上げ用

下処理(におい&火入れを安定させる)

  1. レバーは一口大に切り、流水でやさしく血を流す。水を替えつつ5分ほど浸し、水気をよく拭く
  2. ハツは縦半分に割り、溜まった血を洗い流して水気を拭く。
  3. 砂肝は白い固い筋を軽く落とし、薄めの一口大に。
  4. きんかんは洗って水気を拭くだけでOK(割らない)。
    ※下処理後は水分をしっかり拭き取るほど“はね”にくく、照りが出やすい。

作り方(目安10〜12分/フライパン1つ)

  1. 合わせ調味:小ボウルに「しょうゆ・砂糖・みりん・酒」を混ぜる。
  2. 油&香り出し:フライパンにごま油と生姜を入れ、中火で香りを出す。
  3. モツ投入(強火):レバー・ハツ・砂肝・きんかんを一気に入れ、強火で表面が色づくまで1〜2分、さっと炒める。
  4. タレ投入→煮からめ:合わせ調味料を加え、強火のまま煮立てる。
  5. 煮詰めて“線”を作る:フライパン底のタレがしゃばしゃば→とろみに変わり、ヘラでなぞると“線”が残るくらいまで一気に煮詰める(目安2〜3分)。
  6. 照りの決め:火を止め、余熱で鍋肌のタレを全体に絡める。器に盛り、山椒やおろし生姜を好みで。

合図は「タレの泡が大きく、重くなる」→「鍋底にヘラの筋が残る」。ここで止めればベタつかず、照りも香りも最高潮。

うまく仕上げるコツ(“プロっぽい”ポイント)

  • 強火×短時間:長時間の加熱はレバーがパサつき、砂肝が固くなる最大要因。
  • 順番は一気にOK:茹でこぼしは必須ではないが、血抜きと水気オフは徹底。
  • フライパンは広め:蒸気が抜けやすく、タレが早く煮詰まる
  • 生姜は最初&仕上げ:香りは最初で出し、あと口の爽やかさは仕上げに少量。
  • “照りの余熱”:火を止めた直後がもっとも絡みやすい。ここで一体感を作る。

味のバリエーション(好みに合わせて)

  • 甘さ控えめ:砂糖を大さじ1.5に。みりんは据え置きでツヤを保つ。
  • コク足し・大人味赤ワイン 大さじ1〜2を酒の半量と置き換え。奥行きが出る。
  • 味噌アレンジ:煮詰めの終盤に赤味噌 小さじ1/2〜1を溶き入れ、軽く絡める。
  • さっぱり派:仕上げに酢 数滴レモン少々。後味が締まる。
  • お店風:最後に追いしょうゆ 小さじ1/2を鍋肌で香ばしく。

電気圧力鍋・低温調理を使うなら(“固くしない”裏ワザ)

  • 電気圧力鍋:下処理後、加圧はせず“炒め・煮詰めモード”でOK。圧をかけるとレバーの食感が崩れやすい。
  • 低温調理:レバー&ハツを60〜63℃で20〜30分下火入れ→フライパンでタレを煮詰めて絡めると、しっとり仕上がる(要・衛生管理)。

保存・温め直し(テイクアウトにも応用)

  • 冷蔵:粗熱を取り、密閉容器で翌日まで。再加熱は小鍋で弱火+少量の酒を足してほぐす。
  • 冷凍:できればきんかんは別。1〜2週間を目安に。解凍は冷蔵庫→同様に温め直し。
  • お弁当:タレをやや固めに煮詰めると、ご飯がべちゃつかない。

よくある失敗とリカバリー

  • 甘すぎた:温め直しで酒・しょうゆ各小さじ1を加え、軽く煮返す。
  • しょっぱすぎたみりんor水を少量足して軽く煮返し、バランスを整える。
  • 固くなった:再加熱時にをまわして軽くほぐし、火は弱火で。
  • 照りが出ない強火が足りない/鍋が狭い/水分が多いのいずれか。次回は広いフライパンで、水気オフを徹底。

第6章|“黄色い玉”の正体|きんかんの基礎知識と栄養

きんかん(未成熟卵)を含む鳥もつ煮
きんかん(未成熟卵)を含む鳥もつ煮

きんかんって何?

「きんかん」は柑橘の金柑ではなく、鶏の卵巣内にある未成熟卵(卵黄部分)のこと。まだ殻を形成する前の段階なので、つるんと丸く、濃い黄色をしています。甲府鳥もつ煮では、レバー・ハツ・砂肝と一緒に加えられ、プチッと弾ける独特の食感と濃厚なコクがアクセントになります。

味と食感の役割

  • :甘辛ダレをまとったまろやかなコクが加わり、全体の味に厚みが出る
  • 食感:外側はしっかり、内側はほくっとクリーミー
  • 見た目:仕上げに艶のある黄色が映えるため、盛り付けの主役にも

下処理と扱い方

  • 洗う→水気をよく拭く:水分が残ると跳ねやすく、照りも出にくい
  • 割らない:割ると崩れやすいので丸のまま使うのが基本
  • 順番:他のもつと一緒でOK。強火×短時間の煮絡めで崩れにくい

きんかんが手に入らないとき

  • 入手先:精肉店、鶏専門店、惣菜店、通販など。地域によっては取り寄せが確実
  • 代替:きんかん無しでも成立します。レバー増量でコクを補い、仕上げに卵黄(生/温玉)を丼に落とすアレンジもおすすめ

栄養のポイント(ざっくり)

  • レバー中心の“もつ”全体たんぱく質、鉄分、ビタミンAなどが豊富
  • きんかん:卵黄に近い性質で脂質やビタミンを含み、コクと満足感に寄与
  • 食べ合わせ:ごはんとの相性はもちろん、生姜・山椒で後味を軽くすると食べやすい

ヘルシー志向なら、砂肝・ハツを多めにして歯ごたえ重視に。コク重視ならレバー・きんかん多めで。

安全・衛生の基本

  • 十分な加熱:中心まで火を通す(短時間でも強火でしっかり
  • 保存:粗熱を取って密閉→冷蔵は翌日までが目安。長期は冷凍
  • におい対策:下処理で血抜き・水分オフを徹底、仕上げに生姜で爽やかに

ミニFAQ

  • Q:黄色い丸は何?
    A:未成熟卵(きんかん)。金柑(果物)ではありません。
  • Q:きんかんは必須?
    A:なくてもOK。レバーやハツだけでも成立。丼なら卵黄を添える代替も◎。
  • Q:固くなりやすい?
    A:強火で“短時間”がコツ。長く煮るとパサつきやすいので、照りが出たら止める

第7章|もっと楽しむ食べ方とアレンジ

1) 王道:鳥もつ丼(温玉 or 卵黄のせ)

温玉と山椒を添えた鳥もつ丼
温玉と山椒を添えた鳥もつ丼
  • 作り方:熱々のご飯に鳥もつ煮をのせ、温玉または卵黄を中央に。
  • 仕上げ:刻み海苔・小口ねぎ・山椒少々。甘辛タレがご飯に絡んで“無限丼化”。
  • コツ:丼用はやや濃いめ&タレ多めに仕上げると一体感◎。

2) そば・うどんの“相棒”

  • 冷たい蕎麦:そばつゆの邪魔をしないよう、きんかん少なめで軽やかに。
  • 温かいうどん:甘辛を受け止めるので濃いめでも好相性。
  • そば前セット:一杯 → 鳥もつ小鉢 → 〆の蕎麦、は甲府流の黄金ルート。

3) 家飲みの主役・お弁当おかず

ビールのおつまみに鳥もつ煮
ビールのおつまみに鳥もつ煮
  • 家飲み:七味・山椒・おろし生姜を卓上に。胡椒ひと振りでも香りが立つ。
  • 弁当タレをやや詰め気味にして、ご飯がべちゃつかないように。仕切りに葉物を一枚。

4) リメイク・応用レシピ

  • 混ぜご飯:温かい白米に刻んだ鳥もつ煮とタレ少々、白ごま刻み大葉でさっくり混ぜる。
  • 炊き込みご飯(簡易):炊き上がりに鳥もつ煮を加えて5分蒸らし、生姜千切りと和える。
  • 豆腐アレンジ:絹ごし豆腐に温めた鳥もつ煮をかけ、万能ねぎ+山椒。軽めの一皿。
  • こんにゃく合わせ:板こんにゃくを手でちぎり、下茹で→乾煎りして水分を飛ばし、鳥もつのタレで絡めるとヘルシー副菜に。
  • ごぼう追加:ささがきごぼうを下茹で→一緒に煮絡めると香りと食感がアップ。
  • サンド/トースト:バターを薄く塗ったトーストに鳥もつ+黒胡椒。意外な相性で“禁断の甘辛”。

5) 味変アイデア(あっさり〜コク足しまで)

  • 爽やか系:山椒・柚子皮・黒酢数滴・レモン少々。
  • コク足しバターひとかけ赤味噌少量を仕上げに。
  • 辛口:一味・ラー油・花椒(かしょう)でキレを出す。
  • 甘さ控えめ派:砂糖控えめの仕上げ+追い醤油を鍋肌で香ばしく。

6) ダイエット/栄養バランス派の調整

  • 部位比率:レバー・きんかんを控え、砂肝・ハツ多めで軽やかに。
  • 油カットノーオイルで作り、最後だけ小さじ1のごま油を回しかけて香り付け。
  • 野菜プラス小ねぎ・みつば・せり、苦手でなければピーマン細切りを仕上げに和えて彩りと食感を追加。

7) タレの再利用

  • 照り焼きのベース:鶏皮・手羽先の下味→焼き上がりに絡める。
  • 炒め物:しめじ・まいたけ・ピーマンのきのこ炒めに回しかけて即一品。
  • おにぎり:温かいご飯にタレをひと回し→海苔で包めば“甘辛おにぎり”。

第8章|通販・お土産・ふるさと納税で楽しむ

鳥もつ煮(常温パウチと冷凍パック)
鳥もつ煮(常温パウチと冷凍パック)

1) どんな商品がある?(タイプ別の特徴)

  • レトルト(常温)
    常温保存できて取り扱いがラク。湯せん・電子レンジ対応が多く、旅先のお土産まとめ買いに向きます。味はやや濃いめで、丼にのせると相性◎。
  • 冷凍パック
    出来立ての風味に近いのが魅力。賞味期間は長めだが、解凍→温めのひと手間が必要。キンカンの食感を活かしたい人に人気。
  • タレ(調味ベース)
    家で生の“もつ”を用意して本格再現したい方向け。照り出しがしやすいよう粘度高めの製品も。
  • 缶詰
    非常食・ストック用途に便利。味はしっかり目で、ご飯やお酒に合う。

2) 選び方のコツ(失敗しにくいチェックポイント)

  • 部位表記:レバー/ハツ/砂肝/きんかん の内訳が明記されているか。
  • 甘辛の度合い:レビューや商品説明の「甘め/あっさり」を目安に。丼狙いはやや甘め・タレ多めが合う。
  • 量と用途:小鉢用途なら120〜150g/人が目安。丼なら具200g+タレ多めがうれしい。
  • 温め方法:湯せんのみ/レンジ可/フライパン仕上げ推奨など再加熱手順を確認。
  • 保存条件:常温・冷蔵・冷凍の別/賞味期限の目安/再冷凍の可否。
  • 添加物・アレルゲン:しょうゆ由来の小麦など、必要に応じてチェック。

おすすめ商品(編集部セレクト)

迷ったらまずはこの2つ。常温で扱いやすいレトルトと、出来立て感に近い冷凍タイプです。

3) 温め方・美味しく仕上げるコツ(市販品の実用ガイド)

  • レトルト(常温)
    パウチの指示通り湯せんが失敗少ない。丼にするなら、温かいご飯にのせた後、鍋肌でタレ小さじ1を追い醤油風に温めて回しかけると香りアップ。
  • 冷凍
    冷蔵庫でゆっくり解凍→小鍋で弱めの中火。最後に強火で5〜10秒だけ煮詰めると“照り”復活。
  • フライパン仕上げ
    タレが多い製品は強火で水分を少し飛ばすと、甲府らしい“照り煮”感が戻る。焦げ防止に動かし続けるのがコツ。

4) テイクアウト・持ち帰りの注意

  • 移動時間:2時間を超える場合は保冷バッグ+保冷剤推奨。
  • 再加熱:電子レンジ使用時はふんわりラップで過加熱を防止。
  • ニオイ対策:車内に長時間置かない。帰宅後はすぐ冷蔵へ。

5) ふるさと納税の活用

  • セット内容:レトルト×複数、冷凍パック詰め合わせ、タレ+もつなどバリエーション多め。
  • 頻度:リピート向けの定期便も。到着サイクルを食卓の予定に合わせると便利。
  • 楽しみ方:届いたら丼・小鉢・弁当で“3回転”を想定。最後はタレを炒め物やおにぎりに再利用。

6) お土産・ギフトの演出

  • 甲府らしさ:解説カード(由来・きんかんの説明)をひとこと添えると喜ばれる。
  • 詰め合わせ:鳥もつ煮+山椒/生姜チューブ/海苔のミニセットで、すぐ丼にできる“完成形”ギフトに。
  • 賞味期限:贈る相手のライフスタイルを考え、常温 or 冷凍を選択。

7) よくある質問(通販・お土産編)

  • Q:レトルトと冷凍、どっちが本格?
    A:冷凍の方が“出来立て感”に近い傾向。手軽さ重視ならレトルト。
  • Q:温め直すと固くなる…
    A:強火の“仕上げ数秒”だけでOK。長く煮るとレバーや砂肝が硬化。
  • Q:丼にしたら味がぼやける
    A:タレを少し煮詰めてからのせる/温玉・山椒で輪郭を出す。
  • Q:持ち帰りはどれくらい日持ち?
    A:製品表示に従うのが原則。店惣菜は当日〜翌日を目安に。

第9章|よくある質問(FAQ)

Q1.「きんかん」って何の部位?黄色い丸は食べても大丈夫?
A.鶏の卵巣内にある未成熟卵(卵黄部分)です。金柑(果物)ではありません。加熱すれば問題なく食べられ、プチッ→ほくっとした独特の食感と濃いコクが持ち味です。

Q2.“もつ煮込み”と何が違うの?
A.甲府の鳥もつ煮は汁気を飛ばす「照り煮」。味噌や出汁で長く煮込む一般的な“もつ煮”とは製法も口当たりも別物です。

Q3.発祥はどこ?なぜ甲府?
A.戦後の甲府市の蕎麦屋で、捨てられがちだった鶏の内臓を安く旨く提供する工夫から生まれたとされます。蕎麦の“待ち肴”として小鉢提供→市内に広まりました。

Q4.固くならない・臭みを出さないコツは?
A.ポイントは3つ。

  1. 血抜き&水気オフ(下処理)
  2. 広めのフライパンで蒸気を逃がす
  3. 強火×短時間でタレを煮詰め、照りが出たら止める
    長く煮るとレバーはパサつき、砂肝は硬化します。

Q5.甘さ控えめにしたい/大人味にしたい
A.砂糖を少し減らし、仕上げに鍋肌へ“追いしょうゆ”で香ばしさを。コク足しは赤ワイン少量赤味噌ちょい足しがおすすめ。

Q6.家で再現するときに“きんかん”が手に入らない
A.レバーを増量してコクを補い、丼なら卵黄や温玉を添えると雰囲気が近づきます。精肉店や鶏専門店、通販で入手できる地域もあります。

Q7.ご飯・お酒、どちら向き?おすすめの食べ方は?
A.両方に合う万能おかずです。定番は鳥もつ丼(温玉・山椒)、そば屋なら小鉢→締めの蕎麦。家飲みは山椒・生姜・黒胡椒の味変が活躍。

Q8.日持ち・保存は?
A.自家製は粗熱→密閉→冷蔵で翌日までが目安。長期は冷凍(1〜2週間)。再加熱時は酒少々を加えて弱火、最後だけ数秒の強火で照りを戻します。

Q9.通販・お土産はどう選ぶ?
A.部位の内訳(きんかん有無)、甘辛の度合い温め方・保存条件をチェック。丼狙いならタレ多めの製品が相性◎。冷凍は出来立て感、レトルトは手軽さが利点です。

Q10.観光で食べるならどのエリアが行きやすい?
A.甲府駅前・石和温泉・河口湖エリアは動線に乗せやすく、蕎麦店や居酒屋で出会えます。週末は行列や売り切れに注意し、早めの入店/営業時間の事前確認がおすすめです。

第10章|周辺観光と合わせて

旅行プランは営業時間・定休日・交通状況で変わります。出発前に最新情報をご確認ください(本記事では末尾に参考情報一覧を掲載します)。

A)甲府駅前ハーフデイ(電車旅向け・徒歩+路線バス)

所要:3.5〜4時間
想定時間帯:11:00〜15:00

  1. 甲府駅到着 → 武田神社(または甲府城跡)
    • 駅前観光案内所で地図入手。武田神社へはバス、城跡は徒歩圏。
  2. ランチ|甲府駅前の蕎麦店で「鳥もつ小鉢」+ざる蕎麦
    • 行列回避は開店直後 or 13:30以降が目安。
  3. 駅ビル・路地でおみやげ散策
    • 帰路の荷物になる場合は常温レトルトを中心に。
  4. カフェ休憩 → 甲府駅へ戻る

ポイント

  • 電車旅でも徒歩圏に選択肢が多いのが駅前の強み。
  • 鳥もつ丼派はボリュームを考えて、観光を先に済ませてから遅めランチに。

B)石和温泉ゆるっと半日(クルマ or 電車+徒歩)

所要:4〜5時間
想定時間帯:10:00〜15:00

  1. 石和温泉で日帰り入浴(午前)
    • 混雑前の午前帯がおすすめ。
  2. ランチ|温泉街の蕎麦店・食堂で鳥もつ煮
    • 小鉢+ご飯セットなら午後も軽快。
  3. ワイナリー or フルーツ直売所
    • 運転のある方は試飲NG。ノンアルのブドウジュースなどで雰囲気を。
  4. 足湯 or 甘味で締め → 帰路

ポイント

  • お湯上がりは塩分・水分補給を。甘辛い鳥もつは相性◎。
  • 早仕舞いのお店があるのでランチは13:30までに入店が安全。

C)富士北麓ワンデイ(ドライブ派・河口湖エリア)

所要:1日(目安 9:00〜18:30)

  1. 午前|河口湖・大石公園などで富士山ビュー散策
    • 駐車は混むため午前到着が快適。
  2. 昼食|河口湖 or 富士吉田の蕎麦店で鳥もつ煮
    • 鳥もつ小鉢+ほうとう/うどんの“Wご当地”も楽しい(食べ過ぎ注意)。
  3. 午後|ミュージアム/ロープウェイ/道の駅
    • 道の駅ではパック惣菜冷凍・レトルトの入手チャンス。
  4. 夕方|湖畔で小休止 → 早めに出発
    • 渋滞前にエリアアウトが吉。

ポイント

  • 保冷バッグがあるとお土産の選択肢が広がる
  • 高原は気温差あり。羽織りを一枚。

D)甲府市内じっくり1日(歴史×食)

所要:1日(目安 10:00〜19:00)

  1. 甲府城跡 → 甲府市内ミュージアム
  2. ランチ|奥藤系の蕎麦店で“元祖系”の一皿
  3. 武田神社 → ワイナリーショップ(試飲は徒歩移動限定で)
  4. 夕餉|居酒屋で“鳥もつ煮+地酒”→ 早めの解散

ポイント

  • 夜は早仕舞いの店も多いので、18時台スタートで余裕を。
  • 車の場合は飲酒NG。公共交通や徒歩で完結する動線に。

交通・運用ミニガイド

  • ピーク回避:土日・連休は開店直後/14時台後半
  • 駐車:温泉街・観光施設は共同駐車場を活用。満車時は次候補へ早めに移動。
  • テイクアウト:移動2時間超は保冷推奨。宿泊なら夕食前に冷蔵へ。
  • 公共交通:バス時刻は季節で変動。最終便の時刻だけは必ずチェック。

第11章|参考情報一覧(URL付き)

行政・公的情報

団体・公式プロモーション

発祥・元祖・歴史

B-1グランプリ関連

補助的な参考(俯瞰・補完情報)

鳥もつ煮の関連動画

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