富士山北麓で育まれた伝統野菜
山梨県南都留郡鳴沢村特産の「鳴沢菜(なるさわ菜)」は江戸時代より栽培されていたといわれる地域の伝統野菜です。富士山麓の気候、富士山の火山灰土の土壌、冨士の伏流水など鳴沢地域の独特の気候風土が生んだ独特の野菜です。
鳴沢菜は蕪菜の一種で根っこに蕪ができますが、葉が大きく成長し、60cm位の大きさが標準です。野沢菜と見た目は似ていますが系統は異なり、遺伝子的には京都の長禅寺菜の系統に入ります。
漬物や保存食に利用
鳴沢菜はシャキシャキとした歯ごたえがありますが、柔らかくて甘みがあり、主に浅漬けの加工用として使われます。鳴沢地域では昔から自家製の鳴沢菜を栽培しており、漬物はもとよりお浸し、味噌汁の具、「ちちんぴお」と呼ばれるすいとん、油炒めなど様々な用途に利用されています。
又、干して乾燥させ切干大根の様に冬の保存食としても利用されてきました。夏の終わりに種まきすればわずか2ヶ月ほどで収穫できるので、10月下旬から11月が最盛期になります。ほうれん草と同じ様に霜に当たると甘味が増すので、霜に当ててから収穫するそうです。
「道の駅なるさわ」で「鳴沢菜」の販売
「道の駅なるさわ」では「鳴沢菜」の収穫時期には地域の農産物を扱う「物産館」で販売しています。採れたての生の鳴沢菜も販売していますが、浅漬けされた鳴沢菜漬や煮て味付けした鳴沢菜を具材にしたおやきや蒸かしまんじゅうも販売しています。
鳴沢菜収穫祭
「道の駅なるさわ」では鳴沢菜の収穫時期にあたる11月初旬に「鳴沢菜収穫祭」を開催しています。生の鳴沢菜、鳴沢菜のまぜご飯、鳴沢菜の漬物、鳴沢菜のすいとんの他、地域の特産品も販売する賑やかなイベントです。平成18年に発足した鳴沢菜の生産者グループ「鳴沢菜クラブ」により運営されています。鳴沢菜の販売だけでなく、鳴沢菜の生い立ちや歴史、調理法など普及活動にも力をいれています。
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