富士山の北側、静かな湖・西湖のほとりにある「西湖蝙蝠穴(さいこ こうもりあな)」は、青木ヶ原樹海の中にぽっかりと口を開けた溶岩洞窟です。総延長350m以上という規模を誇り、富士山麓に数多くある溶岩洞穴の中でも最大級の洞窟として知られています。
この洞窟が生まれたのは、約1,200年前の富士山・貞観噴火のとき。山裾を流れ下った溶岩が外気に触れて冷え固まり、内部の高温の溶岩やガスが抜けていくことで、トンネル状の空洞ができました。西湖蝙蝠穴は、その空洞が残った「溶岩トンネル」の代表例で、内部では溶岩鍾乳石や縄状溶岩など、マグマがつくり出した独特の地形を間近で見ることができます。
洞窟内の気温は年間を通しておよそ9度前後。真夏でもひんやり涼しく、逆に冬は外よりも暖かく感じられることもあります。そのため、かつてはコウモリたちが冬眠する場所としても知られ、「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」として国の天然記念物に指定されています。現在はコウモリの保護のため、冬季には入洞が制限される期間も設けられています。
西湖蝙蝠穴を管理しているのは「西湖ネイチャーセンター」で、受付や解説展示、売店、トイレなどの設備が整っています。同じ建物内には、幻の魚として知られる「クニマス」を紹介する展示館もあり、洞窟探検とあわせて西湖の自然や歴史について学べる拠点となっています。青木ヶ原樹海の遊歩道を歩きながら洞窟入口へ向かう道のりも、苔むした溶岩や原生林の雰囲気が味わえる人気のポイントです。
この記事では、こうした自然の成り立ちや地形の見どころだけでなく、観光で訪れるときに気になる「入洞料はいくら?」「どんな服装で行けばいい?」「コウモリは見られるの?」といった疑問にも、できるだけ分かりやすくお答えしていきます。
【この記事のポイント】
- 西湖蝙蝠穴がどんな場所か、成り立ちと特徴が分かる
- 住所・電話・営業時間・休館日・入洞料・駐車場など、最新の基本情報を整理して紹介
- 洞窟内部で見られる溶岩鍾乳石・縄状溶岩など、主な見どころを写真イメージ付きで解説予定
- 「コウモリはいるの?」という疑問に答えつつ、保護の現状と注意点を紹介
- 所要時間の目安や、服装・靴・持ち物など、安全に楽しむためのポイントが分かる
- 西湖ネイチャーセンターやクニマス展示館、富岳風穴・鳴沢氷穴・西湖いやしの里根場など、周辺観光との組み合わせ方も提案
- 第1章|西湖蝙蝠穴の基本情報(住所・営業時間・料金)
- 第2章|富士山の噴火がつくった溶岩洞窟|西湖蝙蝠穴の成り立ちと歴史
- 第3章|洞窟内部の見どころ|溶岩鍾乳石・縄状溶岩・溶岩棚・溶岩ドーム
- 第4章|「コウモリ穴」だけどコウモリは見える?|生息種・保護と現在の状況
- 第5章|見学の流れと所要時間|樹海の遊歩道から始まる小さな探検
- 第6章|服装・持ち物・安全対策|ひんやり洞窟を快適に楽しむコツ
- 第7章|ペット・ユニバーサルデザイン|誰がどこまで楽しめるか
- 第8章|西湖ネイチャーセンターとクニマス展示館|洞窟だけじゃない“学びの基地”
- 第9章|アクセス・駐車場・周辺道路の情報|車・バスでの行き方とドライブのコツ
- 第10章|西湖エリアの見どころとモデルコース|洞窟探検と樹海・湖畔をめぐる旅
- 第11章|クチコミ・レビューからわかる西湖蝙蝠穴の魅力と注意点
- 第13章|まとめ|西湖蝙蝠穴を旅に組み込むときのポイント
- 参考情報・公式サイト・関連リンク集
- 西湖蝙蝠穴の関連動画
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第1章|西湖蝙蝠穴の基本情報(住所・営業時間・料金)
西湖蝙蝠穴(西湖こうもり穴)は、「西湖ネイチャーセンター」に併設された観光洞窟で、富士河口湖町が管理している公的な観光スポットです。受付やチケット販売、ヘルメットの貸し出しなどはすべてネイチャーセンターで行われます。
住所は
「〒401-0334 山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068(西湖ネイチャーセンター内)」、
問い合わせ先の電話番号は
「0555-82-3111(西湖ネイチャーセンター)」です。観光で訪れる際の確認や団体予約、最新の営業状況の問い合わせも、この番号に連絡するのが基本になります。
洞窟に入れる期間(入洞可能期間)は、コウモリの保護のため毎年3月20日〜11月30日に限定されています。12月1日〜3月19日のあいだは、冬眠するコウモリを守るため洞窟内への入洞はできません。
営業時間の目安は、入洞できる時期(3月20日〜11月30日)で9:00〜17:00ごろが基本です。最終入洞は16:00〜16:30前後とされることが多く、時期や混雑状況によって多少前後する場合があります。特に夕方に訪れる場合は、現地の案内や公式サイトで「最終入洞時間」を事前にチェックしておくと安心です。
入洞料(料金)は、資料や時期によって表記が分かれていますが、大人(中学生・高校生以上)300〜350円前後、小中学生150〜200円前後が目安です。2024年3月時点の情報では「大人350円・小学生200円」とする資料もあり、また団体割引やJAF割引などが適用される場合もあります。料金は改定されることがあるため、記事を書く際・訪問前には、必ず公式観光情報サイトや現地で最新の料金を確認する前提で案内しておくと安全です。
駐車場は、西湖ネイチャーセンター前に無料の駐車スペースが用意されています。普通車でおおむね40台前後、大型バスも数台停められる規模で、マイカー観光や団体バスツアーでも利用しやすい環境です。繁忙期(ゴールデンウィークや夏休み、紅葉シーズンなど)は満車になる時間帯もあるため、できれば午前中の早い時間や平日を狙うとスムーズです。
公式情報の確認先としては、富士河口湖町の観光情報サイト「ふじさんネット」の西湖こうもり穴・ネイチャーセンター紹介ページと、富士河口湖町役場公式サイトの西湖ネイチャーセンター施設案内ページが基準になります。記事中では、前者を「公式観光情報」、後者を「施設公式情報」として使い分けると、読者にも分かりやすく整理できます。
アクセスの詳細(車・バスの行き方や周辺道路の状況)は後の章でくわしく紹介しますが、「国道139号(富士宮〜富士吉田)から西湖方面へ入り、県道710号沿いに進んだ西湖北岸に位置する」というイメージを持っておくと、地図を見たときに場所を把握しやすくなります。
第2章|富士山の噴火がつくった溶岩洞窟|西湖蝙蝠穴の成り立ちと歴史
西湖蝙蝠穴は、ただの「穴」ではなく、約1,200年前の富士山噴火が生み出した、いわば“溶岩のトンネル”です。富士山のふもとに広がる青木ヶ原樹海や西湖そのものとも深く関係していて、この一帯の成り立ちを知るうえで、とても重要な場所になっています。
貞観大噴火と青木ヶ原丸尾溶岩
西暦864年(貞観6年)に起きた「貞観大噴火」では、富士山の北西側から大量の溶岩が流れ出しました。これが「青木ヶ原丸尾溶岩」と呼ばれる溶岩流で、今の青木ヶ原樹海一帯を厚くおおうことになります。
流れ出た溶岩は、外側が外気に触れて冷え固まり、内部ではまだ高温のドロドロした溶岩が動き続けます。やがて内部の溶岩やガスが抜けていくと、トンネル状の空洞だけが残ります。こうしてできたのが「溶岩洞穴(溶岩トンネル)」で、西湖蝙蝠穴もその一つです。
総延長350m以上、富士山麓最大級の溶岩洞窟

西湖蝙蝠穴の総延長は、支洞も含めると350m以上とされ、富士山麓に点在する溶岩洞窟の中でも最大級の規模を誇ります。資料によっては386mを超えるとするものもあり、複雑に枝分かれした通路を持つ構造が大きな特徴です。
同じ富士山北麓には、氷が一年中残る「富岳風穴」や「鳴沢氷穴」などの溶岩洞窟もありますが、西湖蝙蝠穴はそれらよりも長く、内部構造もより複雑です。「富士山麓の溶岩洞窟の代表格」と言われる理由は、このスケールと地形の多様さにあります。
青木ヶ原樹海と西湖との関わり
西湖蝙蝠穴がある青木ヶ原樹海は、貞観大噴火で流れ出た溶岩の上に、数百年かけてコケや低木が生え、やがて原生林へと育っていった場所です。溶岩のゴツゴツした地面の上に樹木が根を張っているため、地面は起伏が多く、倒木や溶岩の割れ目が入り組んだ独特の景観になっています。
また、噴火前にこの一帯に広がっていた「剗の海(せのうみ)」という湖は、溶岩流にせき止められて姿を変え、現在の西湖や精進湖の成り立ちにも大きな影響を与えました。洞窟の壁面に残る白い線(珪藻土線)は、かつて湖だった頃の水位を示す痕跡とされており、この地域のダイナミックな地形の変化を物語っています。
「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」国の天然記念物に
西湖蝙蝠穴は、その規模や地形だけでなく、「コウモリのすみか」としても貴重な場所です。洞内の気温は年間を通じて約9℃と安定しており、冬でも比較的あたたかい環境のため、かつては多数のコウモリが冬眠する場所として知られていました。
こうした学術的な価値から、1929年(昭和4年)12月17日に「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」として、洞窟とそこに生息するコウモリがセットで国の天然記念物に指定されています。日本でも、洞窟と野生動物が一体で指定されている例は多くなく、自然環境そのものを丸ごと守ろうとする、早い時期からの取り組みと言えます。
富士山麓の自然史を語る「生きた教材」
このように、西湖蝙蝠穴は
- 富士山の噴火
- 青木ヶ原樹海の成り立ち
- 湖の形が変わっていく過程
- 洞窟にすむコウモリの生態
といった、富士山周辺の自然史がぎゅっと詰まった場所です。洞窟の中を歩くだけでなく、その背景にある歴史や地質の物語を知ると、見学の楽しさがぐっと増してきます。
次の章では、実際に洞窟の中で見られる「溶岩鍾乳石」や「縄状溶岩」など、地形の見どころについてくわしくご紹介していきます。
第3章|洞窟内部の見どころ|溶岩鍾乳石・縄状溶岩・溶岩棚・溶岩ドーム
西湖蝙蝠穴の一番の見どころは、やはり「富士山の溶岩がつくり出した不思議な地形」を、間近でじっくり観察できることです。
一般的な石灰岩の鍾乳洞とは成り立ちがまったく違い、「溶岩洞窟ならでは」の景色が広がっています。
ここでは、洞内を歩きながら出会う主な見どころを、順にご紹介します。
3-1 溶岩鍾乳石|マグマのしずくが固まった造形美

洞窟の天井や壁をよく見ると、細いツララのような突起がいくつも垂れ下がっている場所があります。
これが「溶岩鍾乳石(ようがんしょうにゅうせき)」です。
一般的な鍾乳洞に見られる鍾乳石は、石灰岩にふくまれるカルシウム分が少しずつ溶け出し、長い年月をかけて積み重なったものですが、西湖蝙蝠穴の鍾乳石は溶岩そのものが垂れて固まったもの。
流れ出た溶岩が天井からポタポタと滴り、その途中で急激に冷え固まることで、ツララのような形が残ったと考えられています。
ライトに照らされると、表面が少し光って見えたり、ゴツゴツした質感が浮かび上がったりして「マグマが流れていた頃」を想像させてくれます。頭上にあるので、歩くときはヘルメットをしっかりかぶって、ゆっくり観察してみてください。
3-2 縄状溶岩|床に残るマグマの「流れた跡」

足元に目を向けると、床にロープを何本も並べたような、うねった模様が続いている場所があります。
これは「縄状溶岩(じょうじょうようがん)」と呼ばれる地形です。
ねばり気の少ない溶岩が流れたとき、表面だけが先に固まり、その下をまだ熱い溶岩が流れ続けると、押しよせる力で表面がグニャっと波打ちます。その結果、縄をぐるぐると置いたような模様が床一面に残るのです。
西湖蝙蝠穴では、この縄状溶岩をかなりはっきりと見ることができ、「ここを本当に溶岩が流れていたんだ」という実感が湧いてきます。
写真を撮るときは、足元を強くライトで照らしすぎないように注意しつつ、しゃがんで撮ると模様が分かりやすく写ります。
3-3 溶岩棚と溶岩ドーム|溶岩の水位線とガスのふくらみ
洞窟の壁をよく見ると、途中で段差のようにせり出した「棚」のような形が続いている場所があります。
これは「溶岩棚」と呼ばれ、洞窟内を流れていた溶岩の“水位”が下がったときの跡だとされています。かつてそこまで溶岩が満ちていた証拠であり、洞窟が「溶岩の川」だった時代を想像できるポイントです。
また、天井が丸くふくらんだ「ドーム状の空間」があるのも、西湖蝙蝠穴の特徴のひとつです。これは、内部のガスがたまってふくらみ、そのまま固まった結果だと考えられており、「溶岩ドーム」として地質学的にも貴重な観察対象になっています。
こうした地形を意識して見て歩くと、「たまたまできた洞窟」ではなく、マグマの動きとガスの力がつくり出した立体的な空間なのだと実感できるはずです。
3-4 天井の低い通路と広間|探検気分を味わえる変化に富んだ構造

西湖蝙蝠穴は、一直線のトンネルではなく、
- かがまないと通れないほど天井が低い場所
- 立ち上がって周囲を見渡せる広間
が交互に現れる、変化に富んだ構造をしています。
とくに高さ1m前後しかない区間では、腰を曲げたり、場合によっては半分しゃがむような姿勢で進む必要があります。
その分、「本当に探検しているみたい」と感じる人が多く、口コミでも「ヘルメットが何度も役に立った」という声がよく見られます。
一方で、足腰に不安のある方や小さなお子さんには少しハードに感じられる場面もあるので、「無理せず引き返すこともできる」という点も覚えておくと安心です(途中でショートカットルートが用意されている区間もあります)。
3-5 照明と順路|暗闇と安心のバランス
洞窟内には照明が設置されており、足元や壁が見えるように最小限の明るさが確保されています。ただし、観光用に明るく照らされた遊園地のアトラクションとは違い、あえて少し暗めに保たれているため、「洞窟の雰囲気」と「安全」のバランスをとった照明になっているのが特徴です。
順路は一方通行でロープや手すりが設けられており、迷う心配はほとんどありません。足場は整備されていますが、濡れて滑りやすい場所や段差も多いので、スニーカーなど滑りにくい靴で、ゆっくり歩くのが基本です。
3-6 写真撮影のコツ|「溶岩洞窟らしさ」を切り取る
洞窟内はフラッシュ撮影が制限される場合もあるため、写真を撮るときは周囲の人の迷惑にならないよう配慮しながら楽しみましょう。
おすすめの撮影ポイントは、
- 溶岩鍾乳石がまとまっている天井付近
- 縄状溶岩がはっきり見える床
- 溶岩棚やドーム状に広がる空間
など、「溶岩の流れやふくらみ」が分かる場所です。
明るさが足りないときは、
- 手すりや岩にカメラやスマホを軽く固定してブレを防ぐ
- 連写モードで何枚か撮っておく
と、成功率が上がります。
このように、西湖蝙蝠穴の内部には、富士山の噴火の痕跡があちこちに刻み込まれています。
次の章では、洞窟名の由来にもなっている「コウモリ」に焦点を当てて、生息している種類や保護活動、実際に見られるチャンスがあるのかどうかをくわしくご紹介します。
第4章|「コウモリ穴」だけどコウモリは見える?|生息種・保護と現在の状況

「西湖蝙蝠穴」という名前を聞くと、多くの方が「洞窟の中でたくさんのコウモリに会える場所」と想像されるかもしれません。
しかし、実際に訪れた人の口コミを見ると、「コウモリはまったく見られなかった」という感想も少なくありません。
ここでは、西湖蝙蝠穴にすむコウモリたちのことや、なぜ観光で訪れたときにほとんど姿を見かけないのか、その理由を分かりやすくご紹介します。
4-1 西湖蝙蝠穴に生息するコウモリの種類
西湖蝙蝠穴は、かつては多くのコウモリが冬眠する場所として知られていました。
調査では、次のような種類の生息が確認されています。
- モモジロコウモリ
- コキクガシラコウモリ
- キクガシラコウモリ
- テングコウモリ
- ウサギコウモリ
いずれも日本各地の山地や洞窟にすむ在来のコウモリで、虫を食べて暮らしている小型の哺乳類です。
西湖蝙蝠穴は、これらのコウモリにとって冬を安全に過ごす「ねぐら」として、長いあいだ利用されてきました。
4-2 洞窟がコウモリにとって居心地がいい理由
西湖蝙蝠穴の洞内は、年間を通しておおむね約9℃前後と安定した温度が保たれています。
- 夏:外よりひんやり涼しく
- 冬:外よりも極端に冷え込まない
という環境は、コウモリが冬眠したり、じっと休んだりするのにとても適しています。
さらに、洞窟は外の天候に左右されにくく、風もあたりにくい閉ざされた空間です。
外敵も近づきにくいため、コウモリにとっては「静かで安全な寝室」のような場所と言えるでしょう。
4-3 なぜコウモリの数は減ったのか
かつて西湖蝙蝠穴には、冬になると数多くのコウモリが集まり、天井一面にぶら下がる様子が見られたと言われています。
しかし、観光目的の無断入洞や、ライトを当てる・触るなどの人間の行動が重なり、コウモリの数は一時期、激減してしまいました。
- 洞窟内への出入りが自由だった時代
- 大きな音や強い光でコウモリが驚かされる
- ねぐらとしての環境が乱される
といったことが積み重なり、コウモリたちは徐々に別の場所へ移動してしまったと考えられています。
このままでは「西湖蝙蝠穴からコウモリがいなくなってしまう」という危機感から、洞窟の奥に保護区域(立入禁止エリア)が設けられ、コウモリたちが静かに過ごせる空間を確保する取り組みが始まりました。
4-4 現在行われている保護活動
現在の西湖蝙蝠穴では、次のような形でコウモリの保護が行われています。
- 洞窟の奥に立入禁止の保護区域を設置
- 冬眠期(12月1日〜3月19日)は洞窟への入洞を禁止
- 調査や観察は専門家による最低限の頻度に限定
こうした取り組みの結果、激減していたコウモリの数は、少しずつではありますが回復傾向にあるとされています。
観光客からすると「見られないのは残念」と感じるかもしれませんが、「コウモリがふたたび戻ってこられる環境を守るため」と考えると、その意味が分かりやすくなります。
4-5 コウモリは見られる?期待しすぎない方がいい理由
実際のところ、一般の見学ルートからコウモリの姿を見られることは、ほとんどありません。
- コウモリは夜行性で、昼間は暗くて静かな奥の方で休んでいる
- 観光ルートから先の、保護区域に多く集まっている
- 観光客の通るルートでは、もともと数が少ない
といった理由から、「たまたま1匹だけ見えた」「遠くの天井に小さな影がいた気がする」といった“ラッキーな例”が、ごくまれにある程度です。
そのため、「コウモリを間近で観察したい」という目的で訪れると、がっかりしてしまう可能性が高いです。
西湖蝙蝠穴は、あくまで「コウモリのすむ洞窟があることを知り、その環境をそっと見守る場所」と考えるのがおすすめです。
4-6 見学するときに守りたいマナー
コウモリたちが安心して暮らし続けられるように、見学の際には次のようなマナーを守りましょう。
- 大声を出したり、奇声を上げたりしない
- 懐中電灯やスマホの強いライトを、天井に長時間向けない
- 立入禁止のロープや柵の先へ、絶対に入らない
- 天井や壁にいる生き物を見つけても、触らずそっと離れる
これらは、西湖蝙蝠穴に限らず、野生動物のすむ場所を訪れるときの基本的なルールです。
私たちが静かに見学することで、コウモリたちが安心して戻ってこられる環境づくりにもつながっていきます。
「コウモリはあまり見られない」と聞くと、少し残念に思うかもしれませんが、
- 「コウモリが安心してすめる貴重な洞窟が、今も残っている」
- 「その環境を守るために、私たちはどう関わればよいか」
といったことを考えながら歩いてみると、また違った視点で西湖蝙蝠穴を楽しめるはずです。
次の章では、実際にどのような流れで見学するのか、受付から洞窟内の順路、所要時間の目安までを詳しくご紹介していきます。
第5章|見学の流れと所要時間|樹海の遊歩道から始まる小さな探検
西湖蝙蝠穴の見学は、いきなり真っ暗な洞窟に入るのではなく、
まずは「西湖ネイチャーセンター」で受付をして、青木ヶ原樹海の遊歩道を歩くところから始まります。
全体の流れを知っておくと、初めてでも安心して計画が立てやすくなります。
5-1 受付〜遊歩道〜洞窟入口までの流れ

- 駐車場に到着
国道139号から県道710号を通って西湖北側へ進むと、「西湖ネイチャーセンター」の建物と駐車場が見えてきます。車はここに無料で駐めることができます。 - ネイチャーセンターで受付・チケット購入
建物内の受付カウンターで入洞料を支払い、チケットを購入します。
同時に、洞窟見学用のヘルメットを無料で貸し出してもらえるので、ここで必ず着用します。天井の低い場所が多く、実際に「ヘルメットがあって助かった」という声も多いので、面倒がらずにしっかりかぶっておきましょう。 - 樹海の遊歩道を歩いて入口へ
受付を済ませたら、建物の裏手から「蝙蝠穴遊歩道」に入ります。
ウッドチップが敷かれた歩きやすい道が続き、苔むした溶岩や原生林の雰囲気を楽しみながら、約5分ほどで洞窟入口に到着します。道はほぼ平坦で、普通のスニーカーであれば問題なく歩けるレベルです。
遊歩道の時点で「樹海の静けさ」を味わえるので、急がずに周りの景色も楽しみながら進むのがおすすめです。
5-2 洞窟内の順路と歩き方

入口から一歩足を踏み入れると、ひんやりした空気と、ほの暗い洞窟の雰囲気に包まれます。
- 洞内は一方通行の順路が決められており、ロープや手すりに沿って進む形になっています。
- 最初は比較的広い通路ですが、少し進むと天井が低くなる場所や、足元が凸凹した場所が現れ、「探検気分」が一気に高まります。
とくに高さ1m前後しかない区間では、腰を曲げて進んだり、場合によっては半分しゃがむような姿勢が必要になります。
そのかわり、広間に出たときの開放感や、天井・壁・床に残る溶岩の跡は圧巻で、苦労して歩いたぶんだけ達成感も大きく感じられます。
なお、途中にはショートカットルートが用意されているところもあり、「これ以上先へ行くのは大変そう」と感じた場合は、無理をせず短いコースで戻ることもできます。
5-3 所要時間の目安
西湖蝙蝠穴の見学時間は、資料や口コミを総合すると、だいたい次のくらいが目安になります。
- 洞窟内部のみ:約15〜30分
- ネイチャーセンター〜遊歩道の往復を含めて:30〜40分程度
写真をじっくり撮ったり、説明パネルを丁寧に読み込んだりする場合は、全体で40〜60分ほど見ておくと安心です。
混雑状況や、同行者(子ども・高齢の方など)の歩くペースによっても変わるので、旅のスケジュールには少し余裕を持たせておくと良いでしょう。
5-4 子ども連れ・高齢の方の目安
西湖蝙蝠穴は、子どもにとっては「本格的な探検気分」を味わえるスポットですが、以下の点には注意が必要です。
- 階段や段差、足場の悪い場所が多い
- 天井の低い区間では、腰や膝に負担がかかる
- 洞内は薄暗く、狭いところが苦手な子には怖く感じられる場合もある
小学生以上で、ある程度歩き慣れている子どもであれば、多くは問題なく楽しめますが、
- 未就学児や足腰の弱い高齢の方
- 腰痛・膝痛がある人
には、少しハードに感じられることもあります。
心配な場合は、
- 無理せず手前の広い範囲だけで引き返す
- 家族のうち体力に自信のあるメンバーだけが奥まで行く
といった形で、負担の少ない楽しみ方を選ぶと安心です。
5-5 ペットは洞窟内NG
西湖蝙蝠穴の洞窟内には、犬などのペットを連れて入ることはできません。
狭い通路や階段が多く、コウモリや他の野生生物に配慮する必要もあるためです。
ただし、西湖ネイチャーセンター周辺の屋外エリアや遊歩道の一部は、リードを着用したうえで散歩できる区間もあります。
「ペット同伴の詳しい範囲」については、受付で最新のルールを確認しておくと安心です。
このように、西湖蝙蝠穴の見学は、
- ネイチャーセンターで受付
- 樹海の遊歩道を歩いて洞口へ
- 変化に富んだ洞窟内をゆっくり一周
という流れで、おおむね30〜60分ほどで楽しめる“小さな探検”です。
次の章では、快適かつ安全に楽しむために重要な「服装・持ち物・安全対策」について、季節ごとのポイントも含めてくわしくご紹介します。
第6章|服装・持ち物・安全対策|ひんやり洞窟を快適に楽しむコツ
西湖蝙蝠穴は、整備された観光洞窟とはいえ、あくまで本物の溶岩洞窟です。
床はデコボコで滑りやすく、天井の低い場所も多いため、「どんな服装・装備で行くか」が快適さと安全性を大きく左右します。
ここでは、季節を問わず押さえておきたい基本と、あると安心な持ち物を整理してご紹介します。
6-1 基本の服装|動きやすく、長袖・長ズボンが安心

洞内は年間を通して気温約9℃前後。真夏でもひんやり感じるため、外が暑い時期でも「軽く羽織れる上着」を持っていくのがおすすめです。
服装の基本ポイント
- 上:Tシャツや薄手のシャツの上に、フリースやパーカーなどの長袖の羽織りもの
- 下:膝をついたり、岩に擦れたりすることもあるので、ジーンズやアウトドアパンツなどの長ズボン
- 生地:汚れても気にならない、動きやすい素材
長袖・長ズボンにしておくことで、
- 岩肌との接触による擦り傷
- 水滴や泥はね
から肌を守ることができます。
6-2 靴選び|サンダルNG、滑りにくいスニーカーがベスト

足元は「安全対策の最重要ポイント」です。洞窟内の床は溶岩でデコボコしており、水たまりや湿った岩が続く区間もあります。
おすすめの靴
- スニーカーやトレッキングシューズなど、
- 底がしっかりしている
- 滑りにくいソール
- かかとが固定できるタイプ
避けた方がよい靴
- ビーチサンダル・ミュールなど「かかとのないサンダル」
- ヒールのある靴・革靴
- 底がツルツルした靴
サンダルで来てしまった場合は、入口で長靴を貸し出してもらえるケースもありますが、基本的にはスニーカーで十分通れる造りです。事前に歩きやすい靴で行くのがベストです。
6-3 必須のヘルメットと、あると便利な小物
ヘルメット
- 入洞にはヘルメット着用が必須で、受付で無料貸し出しされます。
- 天井が低い区間では、かがんだ姿勢で進むため、「ヘルメットがなかったら頭を何度もぶつけていた」というクチコミも多く見られます。
あると便利な持ち物
- 薄手の手袋・軍手
- 手すりや岩に手をつく場面があり、滑り防止・防寒にもなる。
- 帽子やキャップ
- ヘルメットの下にかぶるとフィット感が良くなり、天井からの水滴よけにもなります。
- 小型の懐中電灯・ヘッドライト
- 洞内には照明がありますが全体的に薄暗く、細かい地形や足元を見たいときに役立ちます。周囲の迷惑にならないよう光量は控えめなものを。
- 小さめのリュック
- 両手をあけて歩くために、荷物は背負える形にしておくと安心です。
6-4 季節ごとの防寒・暑さ対策
洞内は一年中ほぼ同じ温度ですが、「外の気温とのギャップ」に注意が必要です。
春〜秋(特に夏休みシーズン)
- 外は30℃を超える真夏日でも、洞内は約9℃で、入った瞬間ひんやり。
- 薄い長袖一枚では肌寒く感じることもあるので、脱ぎ着しやすい上着を一枚用意すると快適です。
- 汗をかいた状態で入ると急に身体が冷えやすいので、汗ふきタオルがあると安心です。
晩秋(10〜11月)
- 外気も冷え込んでくる時期。洞内では「外より少し暖かい」と感じることもありますが、長時間いると体が冷えてきます。
- フリースや薄手ダウン+長袖インナーなど、通常の秋〜初冬の観光と同じレベルの防寒が目安です。
6-5 安全のために注意したいポイント
準備を整えたうえで、実際に歩くときに意識したいポイントです。
- 足元をよく見る
- 溶岩の凹凸や段差、水たまりで滑りやすい箇所があります。「急がない」「小股で歩く」が基本。
- 頭上に注意する
- 天井が極端に低い区間では、ヘルメットをしていても「ゴン」と当たることがあります。前かがみの姿勢で、頭を少し下げ気味に進みましょう。
- 手すりやロープから離れすぎない
- 手すり・ロープは安全なラインの目印です。指定された順路から外れないように進みます。
- 立入禁止エリアには絶対に入らない
- 奥にはコウモリ保護のための柵・立入禁止区域があります。
野生生物と洞窟環境を守るため、案内板やロープを必ず守りましょう。
- 奥にはコウモリ保護のための柵・立入禁止区域があります。
6-6 体力・持病が心配な方へ
西湖蝙蝠穴は、「本格的な探検気分が味わえる」反面、
- 低い天井で中腰姿勢が続く区間
- 狭い通路や階段の上り下り
など、身体への負担がそれなりにあります。 - 腰痛・膝痛がある方
- 長時間の中腰姿勢がつらい方
- 閉所や暗所が苦手な方
は、体調と相談しながら無理をしないことが大切です。
不安がある場合は、
- ショートカットルートを利用する
- 体力に自信のある人だけが奥まで行き、他の人は入り口付近で待つ
といった形で、負担の少ない楽しみ方を選びましょう。
服装と持ち物、安全のポイントを押さえておけば、西湖蝙蝠穴は「ちょっとハードだけれど、とても楽しい洞窟探検」になります。
第7章|ペット・ユニバーサルデザイン|誰がどこまで楽しめるか
西湖蝙蝠穴は、「本物の溶岩洞窟を歩けるスポット」という性格上、
すべての人が同じように楽しめるわけではありません。
ここでは、ペット同伴の可否や、バリアフリー・ユニバーサルデザインの観点から、
「誰がどこまで楽しめるのか」を整理してご紹介します。
7-1 ペットは洞窟内NG|周辺の散策で楽しもう
まず一番大事なポイントは、
西湖蝙蝠穴の洞窟内には、犬などのペットを連れて入ることはできない
というルールです。
理由は大きく分けて二つあります。
- 狭く暗い通路や階段が多く、ペットの足腰や安全面でリスクがある
- コウモリをはじめとした野生生物や洞窟環境を守る必要がある
そのため、
- 洞窟探索は「人だけ」で、
- ペットは車で待っていてもらうか、交代で見学する
という形が基本になります。
一方で、西湖ネイチャーセンター周辺の屋外エリアや一部の遊歩道は、
リードを付けたうえで散歩できる区間もあります。
- 湖畔の景色を楽しみながらのんびり散歩
- 樹海の入口付近を短時間だけ一緒に歩く
といった楽しみ方もできるので、ペット連れの場合は、
受付で「ペットが歩ける範囲」を事前に確認しておくと安心です。
7-2 洞窟内はバリアフリーではない|車椅子は不可
西湖蝙蝠穴の洞窟内は、
- 段差や階段が多い
- 足元がデコボコして滑りやすい場所がある
- 天井の低い区間が続く
といった理由から、車椅子・ベビーカーでの入洞はできません。
また、杖を使って歩いている方や、長い距離の階段が難しい方にとっても、
洞内すべてを一周するのは負担が大きい場合があります。
そのため、バリアフリーという意味では、
- 洞窟内のユニバーサルデザイン対応は「ほぼ無し」
- 体力に不安のある方は、入り口付近やごく短い区間だけを楽しむのが現実的
と考えておくとよいでしょう。
7-3 西湖ネイチャーセンターは比較的利用しやすい施設
一方で、受付や展示がある西湖ネイチャーセンターの建物内は、
比較的バリアフリーを意識したつくりになっています。
- 出入口に段差が少ない
- 館内はフラットな床で移動しやすい
- トイレや休憩スペースがまとまっている
など、車で来館して館内の展示を見るだけであれば、
高齢の方や小さなお子さん連れでも利用しやすい環境です。
特に、同じ建物内にあるクニマス展示館は、
パネルや映像で西湖の自然や魚の物語を紹介しており、
- 洞窟までは行けないけれど、少しだけ見学したい
- 小さな子どもと一緒に、無理のない範囲で自然に触れたい
という方にもおすすめできます。
7-4 高齢の方・子ども連れが楽しむコツ
高齢の方の場合
- 洞窟内をフルコースで歩くのは、膝・腰への負担が大きいことがあります。
- 体調や足腰に不安がある場合は、
- 洞窟は入口付近だけを見て戻る
- 洞窟は同行者に任せて、自分はネイチャーセンターや周辺のベンチで休憩
といった形も選択肢に入れておきましょう。
子ども連れの場合
- 小学生以上であれば、多くは楽しめるレベルですが、
- 狭い・暗い場所が苦手な子
- 足元が不安定なところが怖い子
には、無理をさせないことが大切です。
- 保護者が先に進んで様子を見てから、
「ここまでなら行けそう」「ここから先はやめておこう」と判断するのがおすすめです。
共通のポイント
- 体調が優れないときは無理をしない
- 寒さ・暗さ・狭さが苦手な人には、事前に写真や説明でイメージを伝えておく
- 少しでも不安があれば、ネイチャーセンターのスタッフに相談する
といった点を意識しておくと、家族やグループ全員がそれぞれのペースで楽しみやすくなります。
7-5 「誰もが楽しめる場所」ではなく、「できる範囲で楽しむ場所」
西湖蝙蝠穴は、
- 本物の溶岩洞窟としての姿をできるだけそのまま残しながら
- 最低限の整備で観光利用を可能にしているスポット
です。
そのため、完全なバリアフリー施設のように「誰もが同じルートを同じように歩ける」わけではありません。
大切なのは、
- 自分や同行者の体力・年齢・得意不得意を踏まえたうえで、
- 「どこまで行くか」「何をメインに楽しむか」をあらかじめ決めておく
ということです。
- 洞窟フルコースを楽しみたい人
- ネイチャーセンターと展示だけをゆっくり見たい人
- 樹海の遊歩道や西湖の景色を中心に味わいたい人
それぞれのスタイルで、「無理をせずできる範囲で楽しむ場所」として考えておくと、満足度もぐっと高くなります。
次の章では、西湖ネイチャーセンターとクニマス展示館に焦点を当て、
館内の設備や展示内容、雨の日や冬季の楽しみ方について、さらに詳しくご紹介していきます。
第8章|西湖ネイチャーセンターとクニマス展示館|洞窟だけじゃない“学びの基地”
西湖蝙蝠穴を訪れるとき、多くの方が「洞窟探検」だけをイメージされますが、
実はその玄関口となる西湖ネイチャーセンターと、併設のクニマス展示館も、ぜひセットで立ち寄りたい見どころです。
雨の日や冬季の休洞期間でも楽しめる「学びと休憩の拠点」として、旅の満足度をぐっと高めてくれます。
8-1 西湖ネイチャーセンターの役割と全体像

西湖ネイチャーセンターは、
- 西湖蝙蝠穴の入洞受付・案内所
- コウモリや樹海、富士山の地質を学べるミニギャラリー
- 幻の魚クニマスを紹介するクニマス展示館
がひとつになった、西湖エリアの自然学習拠点です。
建物内には、
- チケットカウンター(入洞料の支払い・ヘルメット貸出)
- コウモリの生態パネル・標本展示
- 富士山の噴火と溶岩流の成り立ちを解説したコーナー
- 青木ヶ原樹海の植生や生き物を紹介するパネル
などがコンパクトにまとまっており、洞窟に入る前の「予習」にもぴったりです。
8-2 館内設備|売店・休憩スペース・UDトイレ

西湖ネイチャーセンターは、観光拠点としての使い勝手もよく整えられています。
主な設備
- 売店コーナー
- コウモリをモチーフにした小物やお土産
- 西湖周辺の名産品、軽食や飲み物 など
- 休憩スペース
- ベンチやテーブルがあり、洞窟見学前後の一息つきに最適。
- トイレ(ユニバーサルデザイン対応)
- 車椅子対応トイレ
- おむつ替え台
- 子ども用設備
洞窟内にはトイレがないため、見学前にここで済ませておくのがおすすめです。
また、樹海散策や西湖ドライブの途中に立ち寄って、休憩・情報収集をする拠点としても活用できます。
8-3 クニマス展示館とは?|“幻の魚”の物語をたどる無料施設

西湖ネイチャーセンターの館内には、入館無料の「クニマス展示館」が併設されています。
クニマスは、かつて秋田県・田沢湖にのみ生息していたサケ科の魚で、
1940年代のダム工事・酸性水流入の影響で絶滅したと考えられていた“幻の魚”です。
そのクニマスが、長い年月を経て山梨県・西湖で再発見された――
この「日本の自然史に残るドラマチックな出来事」を、パネルや模型でわかりやすく紹介しているのが、この展示館です。
8-4 展示内容の見どころ
クニマス展示館の主な見どころは、次の通りです。
① 歴史パネル:田沢湖絶滅から西湖再発見まで
- 田沢湖の水質変化とクニマス絶滅の経緯
- どうして西湖にクニマスが“移住”していたのか
- 2010年の再発見に至る研究者たちのストーリー
を、写真や図解で丁寧に解説しています。
② 水槽コーナー:生きたクニマスを観察
- 西湖の湖底環境をイメージした水槽に、
実際に生きているクニマス(5〜6匹程度)が泳いでいます。 - 光の当て方を工夫した展示で、クニマス特有の青褐色の体色や動きが観察できます。
③ 西湖の魚たちと生態系の紹介
- クニマス以外にも、西湖にすむ魚や水辺の生き物をパネルで紹介。
- 富士山麓の湖の生態系や、外来種・環境保全のテーマにも触れています。
④ シアター・レクチャールーム
- タイミングが合えば、西湖の自然やクニマスに関する映像上映や講座が行われることもあります。
8-5 雨の日・冬季でも楽しめるインドアスポット
西湖蝙蝠穴の入洞は、12月1日〜3月19日の冬季はコウモリ保護のため休洞となりますが、
その期間中も、西湖ネイチャーセンターとクニマス展示館は原則開館しています(一部水曜休)。
- 冬季や雨の日で樹海散策・洞窟探検が難しいとき
- ドライブの途中で、室内でゆっくり過ごしたいとき
には、
- ネイチャーセンターの展示で樹海や溶岩洞窟の成り立ちを学ぶ
- クニマス展示館で“幻の魚”の物語に触れる
といった楽しみ方ができます。
営業時間の目安
- 3〜11月:9:00〜17:00
- 12〜2月:9:30〜16:30(冬季は水曜休の場合あり)
※詳細・最新情報は、富士河口湖町や観光協会の公式サイトで事前確認してからのお出かけがおすすめです。
8-6 洞窟+展示館のモデルコース
西湖蝙蝠穴を訪れる際は、洞窟見学とクニマス展示館をセットで楽しむと、満足度がぐっと高まります。
滞在時間の一例(合計 約1.5〜2時間)
- ネイチャーセンターで受付・展示見学(20〜30分)
- コウモリや溶岩洞窟、樹海の解説パネルをチェック
- 樹海の遊歩道を歩いて、西湖蝙蝠穴を見学(30〜60分)
- 戻ってから、クニマス展示館をじっくり観察(20〜30分)
- 売店でお土産を選んだり、休憩スペースでひと休み
この流れでまわると、
- 富士山の噴火と溶岩洞窟の成り立ち
- 樹海の自然
- コウモリの生態と保護
- 西湖の湖とクニマスの物語
といった“富士山麓の自然ストーリー”を、立体的に味わうことができます。
洞窟そのものの迫力だけでなく、
「なぜここにこんな洞窟や湖があり、どんな生き物が暮らしているのか」まで知ることで、西湖蝙蝠穴の体験はぐっと深みを増します。
次の章では、車・バスでのアクセス方法や駐車場情報、周辺道路のポイントについて、詳しくご紹介していきます。
第9章|アクセス・駐車場・周辺道路の情報|車・バスでの行き方とドライブのコツ
西湖蝙蝠穴は、「西湖ネイチャーセンター」の敷地内に入口があり、
国道139号と県道710号からアクセスしやすいロケーションにあります。
ここでは、車・バスそれぞれの行き方と、駐車場、周辺道路の注意点をまとめてご紹介します。
9-1 場所と周辺の道路事情
- 住所:山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068(西湖ネイチャーセンター内)
- 位置:西湖北岸寄りの「西湖ネイチャーセンター」敷地内
- 最寄りバス停:「西湖コウモリ穴入口」「西湖コウモリ穴」
道路的には、
- 国道139号(富士宮〜富士吉田を結ぶ幹線道路)から西湖方面に分岐し、
- 県道710号(富士河口湖若彦トンネル線・西湖周回道路)沿いに進んだ先に入口があります。
青木ヶ原樹海の中を走る区間も多く、
- カーブが続く狭めの道路
- 樹木に囲まれた見通しの悪い場所
があるため、スピードを出しすぎないゆとり運転が大切です。
9-2 車でのアクセス|ICからのルートと所要時間
西湖蝙蝠穴へ車で行く場合の代表的なルートは次の通りです。
中央自動車道方面から
- 中央自動車道「河口湖IC」で下りる
- 国道139号を本栖湖・富士宮方面へ
- 「西湖」方面の案内に従って右折し、県道710号へ
- 西湖北側を走る周回道路沿いに進むと「西湖ネイチャーセンター」に到着
- 所要時間:河口湖ICから約20〜25分(約15km)
東名高速方面から
- 東名高速「富士IC」または新東名「新富士IC」で下りる
- 国道139号を北上し、朝霧高原・本栖湖方面経由で富士五湖エリアへ
- 「西湖」方面の案内に従って県道710号へ入り、西湖ネイチャーセンターを目指す
- 所要時間の目安:富士ICから約1時間前後(渋滞状況により変動)。
※カーナビ・地図アプリでは、目的地を「西湖ネイチャーセンター」または住所「山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068」で検索するとスムーズです。
9-3 バスでのアクセス|西湖周遊バスの利用方法

車を運転しない方は、富士急行線・河口湖駅からの路線バスが便利です。
利用する路線
- 富士急バス「西湖周遊バス」(レトロバス・グリーンライン等)
乗り方の流れ
- 河口湖駅前バスターミナルの1番乗り場から「西湖方面」行きに乗車
- 「西湖コウモリ穴」または「コウモリ穴入口」バス停で下車
- バス停から徒歩すぐで西湖ネイチャーセンターに到着
- 所要時間:河口湖駅から約30〜35分
本数は「観光地用の周遊バス」としてはそこそこありますが、一般的な路線バスほど頻発ではないため、
- 行きのバス
- 帰りの最終バス
の時刻は、あらかじめチェックしておくと安心です。
9-4 駐車場情報と混雑しやすい時期

駐車場の基本情報
- 場所:西湖ネイチャーセンター前に無料駐車場あり
- 収容台数:
- 普通車 約60台
- バス 約6台
料金は終日無料で、洞窟見学やクニマス展示館、樹海散策などに共通して利用できます。
混雑しやすいタイミング
- ゴールデンウィーク
- 夏休み(特にお盆)
- 紅葉シーズン(10〜11月の土日祝)
これらの時期は、駐車場がほぼ満車になる時間帯もあります。
- できれば午前中の早い時間帯に到着
- 可能なら平日を選ぶ
と、車を停めやすく、洞窟や樹海も比較的ゆったり楽しめます。
9-5 周辺道路の注意点|県道710号と国道139号
県道710号(西湖周回道路・若彦トンネル線)
- 青木ヶ原樹海の中を抜ける区間では、
- 片側1車線でやや狭いカーブが連続
- 街灯が少なく、夜間はとくに暗い
- 秋の紅葉シーズンや連休は、観光車両やバスで渋滞しやすいです。
冬季(12〜3月ごろ)の注意
- 積雪や路面凍結が発生しやすく、
- 特に日陰になる樹海エリアは「昼間でも凍結が残る」ことがあります。
- スタッドレスタイヤ+必要に応じてチェーン携行が推奨されます。
国道139号
- 富士宮〜本栖湖〜河口湖を結ぶ幹線道路で、
- 大型車や観光バス、物流トラックも多いルートです。
- 連休・ハイシーズンには本栖湖周辺や交差点付近で渋滞が発生することもあるので、
- 移動時間には余裕をもってスケジュールを組むのがおすすめです。
9-6 アクセス計画のポイント|モデル行程のイメージ
車利用の場合の一例(首都圏発・日帰り)
- 8:00頃 首都圏出発 → 中央道〜河口湖IC
- 9:30頃 西湖ネイチャーセンター着・駐車場に車を停める
- 10:00〜11:00 西湖蝙蝠穴を見学
- 11:00〜12:00 クニマス展示館・ネイチャーセンター見学
- その後、西湖いやしの里根場や富岳風穴・鳴沢氷穴など、周辺スポットへ移動
電車+バス利用の場合の一例
- 新宿駅 → 特急「富士回遊」などで河口湖駅へ
- 河口湖駅から西湖周遊バスに乗車
- 「西湖コウモリ穴」下車すぐで、洞窟見学・展示館を楽しむ
- 帰りのバス時刻と、河口湖駅からの最終特急・高速バスの時間をあらかじめチェック
どちらの場合も、
- 西湖蝙蝠穴+ネイチャーセンターで1.5〜2時間前後
- 周辺観光スポットを組み合わせると、丸一日のドライブ・観光コースとして十分楽しめます。
アクセスや駐車場、周辺道路の特徴を把握しておくと、
「思ったより時間がかかった」「駐車場に入れずにうろうろした」という失敗を避けやすくなります。
次の章では、西湖蝙蝠穴と合わせて巡りたい周辺観光スポットと、モデルコースの例について詳しくご紹介していきます。
第10章|西湖エリアの見どころとモデルコース|洞窟探検と樹海・湖畔をめぐる旅
西湖蝙蝠穴の周辺には、青木ヶ原樹海や西湖の自然を体感できるスポット、日本の原風景を残す施設、富士山の噴火でできた溶岩洞窟群など、見どころが充実しています。
ここでは、「西湖蝙蝠穴と一緒に巡りたいスポット」と、「時間に合わせて組めるモデルコース」をご紹介します。
10-1 西湖いやしの里根場|茅葺き集落と富士山の絶景

西湖蝙蝠穴から車で約10分。茅葺き屋根の古民家がずらりと立ち並ぶ、人気の観光スポットです。
特徴・楽しみ方
- 昭和初期の集落を復元した“体験型観光地”
- そば打ち・陶芸・紙すきなどの体験ができる
- 富士山と古民家が重なる日本らしい風景が魅力
- 野外撮影スポットとしても人気
青木ヶ原樹海の静けさとは対照的な“開けた景観”が楽しめるため、洞窟探検のあとに立ち寄ると気分が切り替わります。
10-2 富岳風穴・鳴沢氷穴|富士山の溶岩洞窟をはしご
西湖蝙蝠穴と同じく、富士山の噴火で形成された溶岩洞窟。いずれも国指定天然記念物で、観光設備が整った人気スポットです。
富岳風穴(西湖蝙蝠穴から車で約5分)
- 全長約200mの水平型洞窟で歩きやすい
- 夏でも平均気温3℃前後の天然冷蔵庫
- 春には氷柱が残ることもある
鳴沢氷穴(富岳風穴から車で約5分)
- 垂直に近い急階段の下に広がる深い竪穴洞窟
- 氷柱・氷筍など“氷の世界”が迫力満点
西湖蝙蝠穴と組み合わせると、
「水平型」「垂直型」「狭い探検型」と、三者三様の洞窟が楽しめ、富士山麓の地質がより立体的に理解できます。
10-3 青木ヶ原樹海の遊歩道|自然観察・静けさを味わう
西湖蝙蝠穴の周辺は、青木ヶ原樹海の北端部にあたり、散策路が充実しています。
魅力ポイント
- 道が整備され、迷う心配がほとんどないルートもある
- 溶岩と苔が織りなす独特の景観
- 野鳥観察にも人気
- 静かで落ち着いた空気が流れる
洞窟とは違い、外の光の中で樹海の成り立ちや植生をじっくり感じられるスポットです。
10-4 西湖の湖畔|キャンプ・絶景スポット・カフェ
西湖は富士五湖の中でも落ち着いた雰囲気があり、湖畔には小さなカフェやレストスポット、キャンプ場が点在しています。
おすすめの過ごし方
- 湖畔の駐車場で富士山の眺望を楽しむ
- キャンプ場のデイキャンプ利用
- SUPやカヤックなど湖面アクティビティに挑戦
- 湖畔のカフェでランチやコーヒー
洞窟の「暗闇・狭い・ひんやり」とは対照的に、
“明るく開けた西湖の景色”でリフレッシュできる時間が生まれます。
10-5 その他の周辺スポット
時間や興味に合わせて追加しやすいスポットをまとめました。
- 西湖野鳥の森公園
- 野鳥観察、森の音楽会、イベントも開催。
- 西湖コウモリランド(旧施設)
- 現在はクニマス展示館へ機能移転。名称として残る場合あり。
- 道の駅 なるさわ(車で約10分)
- 富士山博物館、展望台、物産館が人気。
- 精進湖(車で約10〜15分)
- “逆さ富士”の名所。撮影スポットが充実。
いずれも車で短時間の移動で到達でき、西湖蝙蝠穴と合わせて自然・文化を楽しむ旅程が組みやすくなっています。
10-6 西湖蝙蝠穴と合わせるモデルコース
【標準コース|2〜3時間】
- 西湖ネイチャーセンター(展示見学)
- 西湖蝙蝠穴(洞窟探検)
- クニマス展示館(観察)
ポイント:短時間で“学び+探検”をバランスよく体験。
【半日コース|4〜5時間】
- 西湖蝙蝠穴
- 西湖いやしの里根場
- 西湖湖畔で昼食・散策
ポイント:家族連れにも人気の定番ルート。世界観の異なるスポットが続き、満足度が高い。
【洞窟めぐりコース|3〜4時間】
- 西湖蝙蝠穴
- 富岳風穴
- 鳴沢氷穴
ポイント:富士山の溶岩洞窟を“はしご”して、地質の違いを体験。洞窟好きに最適。
【自然体感コース|半日〜1日】
- 西湖蝙蝠穴
- 青木ヶ原樹海散策(東海自然歩道など)
- 西湖湖畔のカフェ
- なるさわ道の駅で富士山観察
ポイント:洞窟・森林・湖と、富士山麓の自然を立体的に味わいたい人向け。
10-7 季節ごとのおすすめの楽しみ方
- 春(3〜5月)
- 樹海の新緑、富士山の残雪、洞内のひんやり感とのコントラストが魅力。
- 夏(6〜8月)
- 洞内の約9℃はまさに天然クーラー。避暑として人気。
- 秋(9〜11月)
- 西湖周辺の紅葉は見事。湖畔ドライブと相性抜群。
- 冬(12〜3月)
- 洞窟は休洞だが、ネイチャーセンター・展示館で学びの旅ができる。
周辺観光と組み合わせることで、西湖蝙蝠穴の体験は「洞窟探検」から「富士山麓の自然・文化をめぐる総合的な旅」へと広がります。
次の章では、クチコミ・レビューからわかる魅力と注意点をまとめていきます。
第11章|クチコミ・レビューからわかる西湖蝙蝠穴の魅力と注意点
実際に訪れた人のクチコミを見ていくと、
西湖蝙蝠穴の「良いところ」と「事前に知っておきたいポイント」が、かなりハッキリと見えてきます。
ここでは、主なレビューの傾向を整理しながら、
これから訪れる方がイメージしやすいようにまとめてご紹介します。
11-1 総合評価の傾向|探検気分は高評価だが、好みが分かれるスポット
旅行サイトやクチコミサイトを総合すると、
- 「本格的な探検気分が味わえる」「子どもが大喜びだった」といった高評価の声と、
- 「思った以上に狭くてきつい」「コウモリは見られなかった」といったややシビアな感想
が、ほぼセットになっているスポットです。
つまり、
「涼しくてスリリングな洞窟探検」を期待してくる人には満足度が高く、
「ライトな観光洞窟」や「コウモリを眺める施設」をイメージしてくる人にはギャップが出やすい
という性格を持っています。
11-2 高評価ポイント①|“本物の溶岩洞窟”で味わう探検・アドベンチャー感
最も多いのが、
- 「まさに探検」「アドベンチャー感がすごい」
- 「迷路みたいでワクワクした」
といった非日常の探検体験を評価する声です。
実際のクチコミでも、
- 低い天井の区間で「頭をぶつけるくらい狭いのが楽しい」
- かがんだり、中腰になったりしながら進むのが「ちょっとしたアスレチック」
といった感想が繰り返し見られます。
観光地らしい“安全な整備”はされていながら、
あえて探検感を残したルートになっているため、
- アウトドアが好きな方
- 子ども連れのファミリー
- グループでわいわい楽しみたい人
には「期待以上だった」というレビューが目立ちます。
11-3 高評価ポイント②|夏でもひんやり涼しい“天然クーラー”
西湖蝙蝠穴の洞内気温は、年間を通じて約9℃前後とされ、
夏でも「涼しい」「ひんやりして気持ちいい」との声が多数寄せられています。
- 真夏日の外気から洞窟に入ると、体感温度は一気にクールダウン
- 「避暑を兼ねて立ち寄った」「雨の日の代替アクティビティとして最高だった」
といったレビューも多く、
富士五湖・西湖エリアの“夏の涼スポット”としても高く評価されています。
11-4 高評価ポイント③|入口までの樹海遊歩道が気持ちいい
洞窟の入口までは、西湖ネイチャーセンターから青木ヶ原樹海の遊歩道を数分歩いて向かうルートになっています。
このアプローチを評価するクチコミも多く、
- 「苔むした溶岩と緑のウッドチップ道が気持ちいい」
- 「神秘的な森の中を歩いて洞窟へ向かう感じが良い」
といった、樹海散策そのものを楽しむ声が目立ちます。
洞窟だけでなく、
「森の静けさ → 真っ暗な洞穴」
という雰囲気の切り替わりも、西湖蝙蝠穴ならではの魅力です。
11-5 マイナス評価①|「コウモリが見られない」というギャップ
名称に「蝙蝠(コウモリ)」と入っていることから、
- 「たくさんのコウモリが頭上を飛び回っているのかな?」
と想像して訪れる人も少なくありません。
ところが実際には、
- 「コウモリはほぼ見られなかった」
- 「保護区域の奥にいるので、見学コースからは見えないと説明された」
といった感想が非常に多く、「名前の割にコウモリは見られない」という指摘が繰り返されています。
これは、
- コウモリが夜行性で、昼間は活動が少ないこと
- コウモリ保護のため、あえて人の動線から離れた奥の区域をねぐらにしていること
などが理由で、「コウモリを見る施設」ではなく「コウモリの暮らす洞穴を見学させてもらう場所」であるためです。
そのため、
- コウモリ観察をメインの目的に考えている場合は要注意
- 事前に「コウモリは基本的に見られない」と理解しておくと、がっかり度はぐっと減ります
11-6 マイナス評価②|低い天井・狭い通路の“きつさ”
クチコミで次に目立つのが、
- 「天井が低くて頭をぶつけた」
- 「しゃがんで進む区間が長くて膝や腰がきつい」
といった身体的なきつさに関する声です。
資料でも、
- 一部区間は高さ60cmほどという情報があり、
- 中腰やかがんだ姿勢をしばらく維持する必要がある
とされています。
口コミでは、
- 「ヘルメットをかぶっていても頭をぶつけた」
- 「腰痛持ちには正直つらい」
という声も多く、ヘルメット必須・体力に自信のない方は要注意という印象です。
一方で、こうした“きつさ”を含めて、
「大変だけど、それがまた面白い」
とポジティブに受け止めている口コミも目立ちます。
11-7 マイナス評価③|滑りやすい足元・混雑時の渋滞
洞内は一年中湿度が高く、
- 天井や壁からの水滴
- 足元の水たまり
などがあり、「滑りやすい」との指摘が多く見られます。
クチコミでも、
- 「階段や通路が濡れていて、サンダルだと心配」
- 「混雑時は狭い通路で渋滞して、進むペースが遅くなる」
といった意見が複数寄せられています。
このため、
- 足元は滑りにくいスニーカーやトレッキングシューズが推奨
- 連休やお盆などの繁忙期は、所要時間が伸びる可能性をあらかじめ想定しておく
といった心構えがあると安心です。
11-8 子ども連れ・初心者の口コミからわかる「向き・不向き」
子ども連れの感想
- 小学生以上の子どもからは「探検みたいで楽しかった」との声が多く、
- 「家族みんなでワイワイ盛り上がった」というレビューも目立ちます。
一方で、
- 暗い場所や狭い場所が苦手な子
- 段差や階段が多い場所に慣れていない子
にとっては、怖さや疲れが勝ってしまうケースもあります。
初心者・シニア層からの声
- アウトドアや山歩きに慣れていない人からは「思った以上にハードだった」という感想も。
- 特に、膝・腰に不安がある方は「入口付近まで」「短縮コースだけ」といった楽しみ方が現実的です。
まとめると、
- 向いている人
- 探検・アドベンチャーが好き
- 多少の狭さ・暗さは平気
- 体力にある程度自信がある
- 向いていない人
- 極端な閉所恐怖症・暗所恐怖症がある
- 膝や腰に持病があり、しゃがむ姿勢がつらい
- 濡れた階段やデコボコ道が苦手
といった傾向が、クチコミから読み取れます。
11-9 クチコミから学ぶ“上手な楽しみ方”のコツ
こうしたレビューを踏まえると、西湖蝙蝠穴を楽しむためのポイントは次のように整理できます。
- 期待値を整える
- 「コウモリを観察する場所」ではなく、
「コウモリが暮らす溶岩洞窟を探検する場所」としてイメージしておく。
- 「コウモリを観察する場所」ではなく、
- 服装と装備を整える
- 滑りにくい靴(スニーカー・トレッキングシューズなど)
- 動きやすく、少し汚れてもよい服装
- 必要に応じて薄手の上着(夏でも洞内はひんやり)
- 体力・体調に合わせてコース選択
- 低い天井が続く区間が不安な場合は、短縮コースや入口付近だけの見学も検討。
- 混雑・天候を意識した時間配分
- 連休・夏休み・紅葉シーズンは余裕を持ったスケジュールで
- 雨の日は足元の滑りやすさに注意しつつ、涼しい洞窟体験を楽しむ
クチコミは、単なる評価だけでなく、
「どんな人がどんな準備をすると満足しやすいか」を教えてくれる生の声です。
11-10 小さなエピソードに見る“旅の思い出”
口コミの中には、洞窟内で財布を落としてしまったものの、
後から入洞した別のグループが見つけて届けてくれた――というエピソードも紹介されています。
暗い洞窟という非日常の空間のなかで、
思わぬ形で人の優しさに触れる“旅のワンシーン”になったという話で、
西湖蝙蝠穴が「ちょっとしたドラマが生まれる場所」でもあることを感じさせます。
クチコミを読み解いていくと、
西湖蝙蝠穴は「万人向けの気軽な観光洞窟」というより、
準備と心構えを整えたうえで行くと、
ぐっと満足度が高くなる“本格派の溶岩洞窟スポット”
であることがわかります。
次の章では、これまでの内容を踏まえつつ、
「よくある質問(FAQ)」という形で、疑問や不安にまとめてお答えしていきます。
第12章|よくある質問(FAQ)
西湖蝙蝠穴を調べていると、
「料金や営業期間」「服装や持ち物」「コウモリは見られるのか」など、
多くの方が同じポイントで悩んでいることがわかります。
ここでは、よくある質問をコンパクトにまとめてご紹介します。
Q1.西湖蝙蝠穴の営業期間と営業時間は?
A.洞窟に入れるのは、原則「3月20日〜11月30日」だけです。
- 入洞可能期間:3月20日〜11月30日
- 休洞期間:12月1日〜3月19日(コウモリの保護と越冬のため)
営業時間の目安
- 9:00〜17:00(最終入洞 16:30 前後)
※季節や年度によって変動する場合があります。
記事執筆時・訪問時には必ず公式情報で最新の時間を確認してください。
Q2.入洞料はいくらですか?クニマス展示館は有料?
A.蝙蝠穴の入洞は有料、クニマス展示館は無料です。
入洞料の目安(西湖蝙蝠穴)
- 大人(高校生以上):300〜350円前後
- 小中学生 :150〜200円前後
※料金は改定されることがあるため、訪問前に公式サイトや現地でご確認ください。
クニマス展示館(西湖ネイチャーセンター内)は入館無料で、
蝙蝠穴の入洞とは別に自由に見学できます。
Q3.所要時間はどれくらい見ておけばいいですか?
A.洞窟内の見学は「30〜60分程度」が目安です。
- 一般的な見学時間:約30分(現在記事の案内)
- ゆっくり観察しながら歩く場合:30〜60分程度
ネイチャーセンターやクニマス展示館も含めて楽しむ場合は、
- 全体で1.5〜2時間程度を見ておくと、比較的ゆとりを持って回れます。
Q4.どんな服装・持ち物がおすすめですか?
A.「滑りにくい靴」と「動きやすい長袖・長ズボン」が基本です。
- 靴:
- スニーカーなど滑り止め付きの歩きやすい靴が推奨
- サンダルは不可・長靴は基本不要(サンダルの場合のみ貸出あり)
- 服装:
- 動きやすく、多少汚れてもよい長袖・長ズボン
- 岩肌との接触による擦り傷を防ぐため、肌の露出は少なめがおすすめ
- 気温対策:
- 洞内は年間を通じて約9℃前後とひんやり
- 夏でも薄手の上着やパーカーが1枚あると安心です。
- あると便利なもの:
- 小型の懐中電灯やヘッドライト(細部を観察したい人向け)
- 帽子(天井からの水滴対策)
Q5.ヘルメットや長靴は用意する必要がありますか?
A.ヘルメットは入口で無料貸出。長靴は基本不要です。
- ヘルメット:
- 受付で無料貸出
- 低い天井や岩場があるため、必ず着用が必要です。
- 長靴:
- サンダルなど不向きな靴の場合のみ貸出の記載あり
- 通常はスニーカーで問題なく歩けるコース設計です。
Q6.コウモリは本当に見られますか?
A.基本的には「ほとんど見られない」と考えたほうがよいです。
- コウモリは夜行性で、昼間は活動が少ない
- コウモリ保護のため、人が入れない保護区域の奥をねぐらとしている
そのため、
- 「コウモリが飛び回る姿を確実に見たい」という目的で行くと、がっかりする可能性が高いです。
おすすめの考え方は、
「コウモリが暮らす貴重な洞窟環境を見学させてもらう場所」
というイメージで訪れることです。
Q7.ペット(犬)と一緒に入洞できますか?
A.洞窟内へのペット同伴は不可です。
- コウモリや他の野生生物の保護、
- 狭い洞内での安全確保の観点から、
犬を含むペットの入洞はできないと案内されています。
ただし、
- 西湖ネイチャーセンター周辺の屋外や、樹海の一部遊歩道は
リード着用のうえで散策可とする案内もあるため、
ペット連れの場合は“周辺散策”を中心に楽しむ形がおすすめです。
Q8.車椅子やベビーカーでも入れますか?
A.洞窟内は不可、ネイチャーセンター館内はバリアフリー対応です。
- 西湖蝙蝠穴の内部は、
- 狭い通路
- 階段
- 低い天井
- 一方、西湖ネイチャーセンターの受付・展示エリアは、
- 車椅子対応トイレ
- おむつ替え台
などを備えたバリアフリー設計となっており、館内見学はどなたでも楽しめます。
Q9.冬(休洞期間中)は何ができますか?
A.洞窟には入れませんが、ネイチャーセンターや樹海散策は楽しめます。
- 休洞期間:12月1日〜3月19日(洞窟入洞不可)
- その間も、西湖ネイチャーセンターのギャラリーやクニマス展示館は原則営業(年末・水曜休など一部例外あり)。
冬は、
- 室内でクニマスや富士山麓の自然について学ぶ
- 雪化粧の西湖や樹海の景色を、周辺の散策路から眺める
といった楽しみ方ができます。
Q10.安全面で特に気をつけるべきポイントは?
A.滑りやすい足元と低い天井には、特に注意が必要です。
- 溶岩洞穴特有のデコボコした床面と水たまりがあり、
「滑りやすいので注意」と複数のガイドや口コミで繰り返し指摘されています。 - 体をかがめて通るほど低い天井・狭い通路もあるため、
- ヘルメットは必ず着用
- 無理のないペースで進むことが大切です。
また、
- 立入禁止区域(コウモリ保護区域)のロープや柵は、絶対に越えないこと。
これらの基本ルールを守ることで、
初心者でも安全に、西湖蝙蝠穴の“本格探検体験”を楽しむことができます。
これらのFAQを事前に押さえておけば、
当日の「こんなはずじゃなかった」を減らし、
より充実した洞窟探検と西湖ネイチャーセンターでの学びの時間を過ごせるはずです。
次の章では、この記事全体のポイントを振り返りながら、
西湖蝙蝠穴を旅程に組み込む際の“まとめ”をお届けします。
第13章|まとめ|西湖蝙蝠穴を旅に組み込むときのポイント
西湖蝙蝠穴は、
「富士山の噴火がつくり出した溶岩洞窟」
「コウモリが暮らす貴重な自然環境」
「樹海と西湖の自然をまとめて体感できるスポット」
という三つの顔を持つ、少し“玄人向け”の観光地です。
ここまでの内容をふまえて、旅の計画に組み込む際のポイントを整理しておきましょう。
13-1 西湖蝙蝠穴の魅力をおさらい
この記事でご紹介してきた、西湖蝙蝠穴ならではの魅力をまとめると次の通りです。
- 富士山の溶岩が刻んだダイナミックな地形
- 溶岩鍾乳石、縄状溶岩、溶岩棚・溶岩ドームなど、教科書で見るような地形を間近で観察できる。
- 本物の洞窟で味わう“探検気分”
- 低い天井や狭い通路、中腰で進む区間など、ほどよくハードなルートが非日常感を演出。
- 年間を通じてひんやりとした洞内環境
- 夏でも涼しい“天然クーラー”としての魅力があり、避暑の立ち寄りスポットとしても優秀。
- コウモリと共存する洞窟という存在
- 「見せるため」ではなく「守るため」の保護区域があり、野生動物との距離感を考えるきっかけになる。
- 西湖ネイチャーセンター・クニマス展示館との連携
- 洞窟だけでなく、樹海や富士山の自然、幻の魚クニマスの物語まで学べる“自然学習拠点”。
「ただ有名だから行く」というより、
“富士山麓の自然をじっくり味わいたい人向け”のスポットといえます。
13-2 行く前に確認しておきたいチェックリスト
計画段階で、次のポイントを一度チェックしておくと安心です。
- □ 訪問日は「洞窟の開洞期間(3月20日〜11月30日)」に入っているか
- □ 営業時間・最終入洞時間を公式情報で確認したか
- □ 滑りにくい靴・動きやすい長袖・長ズボンを用意できそうか
- □ 夏でも洞内は寒いので、薄手の上着を1枚持っていけるか
- □ 膝・腰・閉所が苦手な人がいないか(いる場合はショートコース前提で計画する)
- □ 車かバスか、それぞれの帰りの時間まで含めてルートを決めてあるか
- □ 洞窟だけでなく、周辺のどこを組み合わせるか(いやしの里、風穴・氷穴、西湖湖畔など)
このあたりを事前に整理しておくと、当日バタバタせず、落ち着いて洞窟探検を楽しめます。
13-3 どんな人におすすめ?どんな人には注意が必要?
特におすすめしたい人
- 洞窟探検やアドベンチャー系のアクティビティが好きな人
- 富士山の火山活動や溶岩洞窟の成り立ちに興味がある人
- 夏の暑さを避けつつ、アウトドアを楽しみたい人
- 子どもに“本物の自然体験”をさせてあげたいファミリー
注意した方がよい/プランを工夫したい人
- 閉所・暗所が苦手な人
- 腰痛・膝痛などがあり、中腰姿勢がつらい人
- 濡れた階段やデコボコ道に不安がある人
- 小さな子を連れて長時間歩くのが心配な場合
こうした方は、
- 洞窟は入口付近の雰囲気だけ楽しんで早めに引き返す
- 洞窟は元気なメンバーだけに任せ、自分はネイチャーセンターや西湖湖畔でゆっくり過ごす
といった形で、「それぞれの体力・得意不得意に合わせた楽しみ方」を選ぶのがおすすめです。
13-4 旅程に組み込むときの考え方
西湖蝙蝠穴は、単独で訪れるよりも、周辺スポットと組み合わせた方が魅力が引き立ちます。
- 半日コースなら
- 「西湖蝙蝠穴+ネイチャーセンター・クニマス展示館+西湖いやしの里根場」
- 洞窟好きなら
- 「西湖蝙蝠穴+富岳風穴+鳴沢氷穴」の“洞窟はしご”コース
- 自然満喫派なら
- 「西湖蝙蝠穴+樹海散策+西湖湖畔カフェ(またはキャンプ)」
というように、
旅のテーマ(学び重視/自然体験重視/家族でのんびり など)を決めてから、組み合わせるスポットを選ぶと、満足度がぐっと上がります。
13-5 西湖蝙蝠穴をきっかけに、富士山麓の自然を“立体的”に楽しむ
最後にもう一度だけ、西湖蝙蝠穴の位置づけをまとめると――
- 洞窟そのものは、決して巨大でも派手でもありません。
- しかし、
- 富士山の噴火がつくった地形
- コウモリが暮らす環境
- 青木ヶ原樹海と西湖の自然
- ネイチャーセンターや展示館での学び
などを組み合わせることで、
「富士山麓の自然を、地下から地上まで、立体的に体験できる入口」のような場所になっています。
西湖や樹海エリアを訪れる際には、
ぜひこの西湖蝙蝠穴も候補のひとつに加えていただき、
ご自身のスタイルに合った“ちょっと本格的な洞窟探検”を楽しんでみてください。
参考情報・公式サイト・関連リンク集
西湖蝙蝠穴・ネイチャーセンター公式情報
富士河口湖町観光サイト|西湖蝙蝠穴(公式)
洞窟の開洞期間・入洞時間・料金・アクセスなど、最も信頼できる基本情報。
https://fujisan.ne.jp/pages/231/
富士河口湖町観光公式サイト(トップ)
イベント情報や周辺観光を含む、富士河口湖町全体の案内。
https://fujisan.ne.jp/
西湖いやしの里根場(周辺の主要観光施設)
蝙蝠穴から近く、旅程に組み込みやすいスポット。伝統家屋の集落が広がる人気エリア。
富士山溶岩洞窟に関する公式・参考資料
富岳風穴・鳴沢氷穴(富士山の代表的溶岩洞窟)
溶岩洞窟の成り立ちを比較しながら学びたい人に。
環境省|青木ヶ原樹海について
樹海の植生・地形・生態に関する公的解説。洞窟周辺の自然理解に役立ちます。
https://www.env.go.jp/
富士箱根伊豆国立公園(環境省)
西湖・樹海エリアが属する国立公園の概要。
https://www.env.go.jp/nature/kankyo/fuji/
アクセス・交通関連リンク
富士河口湖町 交通案内(路線バス・駐車場情報)
西湖周辺の公共交通・駐車場などを確認できます。
https://fujisan.ne.jp/access/
富士急行バス|富士五湖エリア 路線案内
西湖周辺(河口湖駅発)のバスを利用する場合はこちら。
https://bus.fujikyu.co.jp/
周辺観光スポット(合わせて訪れたい場所)
西湖ネイチャーセンター(クニマス展示館)
西湖とクニマスの歴史、富士山麓の自然を学べる施設。蝙蝠穴の受付もここで行います。
https://fujisan.ne.jp/pages/363/
西湖いやしの里根場(茅葺き集落の観光エリア)
文化体験・カフェ・資料館などがあり、蝙蝠穴とセットでの訪問が人気。
富士山世界遺産センター(山梨県)
富士山の成り立ち・歴史・信仰を総合的に学べるスポット。
学術情報・自然解説の参考資料
山梨県|富士山の自然・地質に関する資料
溶岩洞窟や火山活動のやさしい解説に利用できます。
https://www.pref.yamanashi.jp/
国立科学博物館|富士山周辺の地形・自然解説
地質学的視点から、洞窟や溶岩の成り立ちを学ぶ際の参考に。
https://www.kahaku.go.jp/
日本洞窟学会
洞窟保護・地形研究など、専門的な情報を得たい方向け。
https://www.speleology.jp/


