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富士山麓の冬野菜「水かけ菜」とは?小山町発祥の伝統野菜と水かけ菜漬けの魅力

富士山の水かけ菜 グルメ
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はじめに

「水かけ菜(別名:とうな)」は、富士山麓の湧水を田んぼに流し続けながら、冬に青々と育つ葉もの野菜です。稲刈りのあとに水田を使って育てるのがこの地域ならではの方法で、シャキッとした歯ざわりと、ほのかな苦みが持ち味。収穫の多くは塩だけで漬ける「水かけ菜漬け」になり、早春の味として地元で親しまれてきました。この記事では、歴史や栽培のしくみ、旬と買い方、家庭での食べ方まで、観光のついでにも役立つ実用情報としてまとめていきます。

記事のポイント

  • 富士山の湧水で冬に育つ、小山町の伝統野菜「水かけ菜」を紹介。
  • 明治19年から続く歴史と“春を告げる漬物”の文化を解説。
  • 旬(12〜3月)や販売場所(道の駅・直売所・通販)の目安を紹介。
  • 定番の食べ方や家庭アレンジ(おひたし・味噌汁・炒め物など)を掲載。
  • 「水菜」「野沢菜」「菜の花」との違いも簡単比較。

    第1章|水かけ菜とは?その特徴と魅力

    水かけ菜
    水かけ菜

    水かけ菜(みずかけな)は、静岡県小山町・御殿場周辺で冬に育てられるアブラナ科の葉もの野菜。別名は「とうな(とう菜)」です。富士山の湧水を田んぼに“かけ流し”にして育てる独特の方法から、その名がつきました。地域では稲刈り後の水田を使い、冬のあいだも清らかな水を流し続けて栽培します。

    味わいはほのかな苦みとやさしい甘みのバランスが魅力。茎はやわらかく、歯ざわりはシャキッとしていて、漬物はもちろん、さっと茹でておひたし、味噌汁の青み、炒め物など家庭料理との相性が良いのが特長です。

    小山町では、富士山麓の湧水という自然条件と冬の寒さを生かして育てられ、地域の“春を告げる味”として親しまれてきました。地元の選りすぐり食品を讃える「しずおか食セレクション」にも位置づけられる存在で、伝統野菜としての誇りが込められています。

    一言でいうと――
    「富士山の湧水が育てた、冬のシャキうま青菜」。まずは塩だけで漬けた水かけ菜漬けで、素材の香りと食感をそのまま楽しむのがおすすめです。

    第2章|歴史と由来(明治19年→現在)

    2-1. はじまりは明治19年(1886)

    水かけ菜の起源は明治19年(1886年)。当時、旧北郷村(現・小山町阿多野)の戸長喜多長平が越後(新潟)から種を持ち帰り、富士山麓の湧水を活かして栽培を始めた—と伝わります。地域の自然条件に合い、冬でも育つ“裏作”として次第に広まりました。

    2-2. “漬物”として広がった背景

    明治中頃、東海道線(現・御殿場線)の工事などで越後出身者が往来するなか、越後の女性たちが塩漬け(漬物)に仕立てる方法を伝えたとされ、保存性の高い「水かけ菜漬け」として食文化に定着。冬から早春にかけての“春を告げる味”として、家庭でも直売所でも親しまれるようになりました。

    2-3. おもな出来事(年表ミニ)

    • 1886年:喜多長平が越後から種子を導入。小山町で栽培スタート。
    • 明治中頃:工事従事者とともに来た越後の女性が漬物づくりを普及。地域に根付く。
    • 戦後〜現在:小山町・御殿場を中心に冬の伝統野菜として継承。生産組合のもと統一パッケージや品質管理も進む。
    • 近年:富士宮市白糸地区でも生産体制が整い、JAの加工場から塩漬けが出荷されるなど、周辺地域へも波及。

    2-4. いまに続く“地域の誇り”

    水かけ菜は、富士山の湧水冬の寒さを逆手に取った知恵の野菜。手摘み・手もみの塩漬けという素朴な加工もふくめ、地域の暮らしと並走して受け継がれてきました。現在は小山町水かけ菜生産組合を中心に、生産・出荷のタイミングや表示の統一が図られ、観光客にもわかりやすい“地域ブランド”として発信されています。

    第3章|富士山の湧水が育てる独特の栽培

    3-1. 栽培の流れ(冬の“裏作”)

    畝と畝の間を流れる湧水とかけ流し栽培の様子(イメージ画像)
    畝と畝の間を流れる湧水とかけ流し栽培の様子(イメージ画像)
    • 水田を再利用:秋に米を刈り取ったあとの田んぼを使います。畝(うね)を立て、10月ごろに種まき
    • 湧水を“かけ流し”に:12月ごろから富士山の湧水を田に流し続けて育てます。水が循環することで根元が冷えすぎず、凍結を防ぎます。
    • 安定した水温:富士山麓の湧水は年間でおよそ13℃と安定しており、真冬でも葉がやわらかく育つ理由です。

    名前の「水かけ菜」は、この“水をかける(流す)栽培”が由来です。

    3-2. 旬と収穫

    • 収穫期:早いところで1月下旬〜3月。地域では春の訪れを告げる青菜として知られます。
    • 収穫方法:根は残し、茎のやわらかい部分を手で折り取るのが基本。鮮度が命なので、選別もていねいです。

    3-3. 冬が向いている理由

    • 病害虫が少ない:寒い季節は虫の発生が少なく、無農薬でも育てやすい環境です。
    • 食感がよくなる:冷たい空気と清らかな湧水の流れで、シャキッとした歯ざわりに育ちます。

    3-4. 品質を支える地域の取り組み

    • 生産者の連携:小山町には水かけ菜生産組合があり、出荷時期や表示、パッケージの統一など、品質を守る取り組みを続けています。

    まとめ:
    秋に播種 → 冬に湧水をかけ流し → 早春に手収穫。
    富士山の湧水(約13℃)が、凍結から守り、やわらかさとシャキ感を生みます。

    第4章|旬・収穫・販売時期

    水かけ菜の収穫(イメージ画像)
    水かけ菜の収穫(イメージ画像)

    4-1. 旬の目安(いつ出回る?)

    • 12月上旬〜中旬:初出荷がはじまる。寒さが増すほど味がのり、葉がやわらかく育つ。
    • 1月〜2月(最盛期):生鮮・漬物ともに出荷ピーク。いちばん手に入りやすく、風味も安定。
    • 3月つぼみ(花芽)付きの出荷が増え、早春らしい味わいで人気。終盤の合図でもある。
    • 4月以降冷凍・塩蔵品の販売へ切り替え。直売所や道の駅で春以降も手に入ることがある。

    ワンポイント:富士山麓の湧水(年平均約13℃)のおかげで真冬も凍りにくく、冬が“旬”になる珍しい青菜です。

    4-2. 収穫と出荷の流れ

    • 収穫は1〜3月が中心。根を残し、やわらかい茎葉を手収穫して鮮度重視で選別。
    • 漬物は塩だけで仕上げる浅漬けが基本。収穫後まもなく出荷され、冬〜早春しか流通しない“季節限定”の名物。

    4-3. どこで買える?(販売チャネル)

    • 地元直売道の駅ふじおやま(阿多野産の統一パッケージが人気)/ファーマーズ御殿場 ほか。
    • 通販JAタウン(JAふじ伊豆)。例年、2月下旬〜3月上旬に期間限定で予約販売(クール便/500g袋など)。
    • 富士宮・白糸地区JA富士宮 白糸支店や市内直売所で、部会製造の塩漬けを販売。

    ベスト購入期は1〜3月。人気のため早めの完売もあるので、直売所は朝イチ、通販は予約がおすすめです。

    4-4. 冷蔵・冷凍・塩蔵(旬を過ぎても楽しむ)

    • 道の駅では冷凍品の取り扱いがあり、家庭調理に使いやすい。
    • JAの通販では塩のみの冷蔵出荷で風味を重視。
    • 保存の目安:冷蔵は約1週間、冷凍は1〜2か月(一般的な葉菜の目安)。小分け冷凍だと使いやすい。
    • 葉がやわらかく傷みやすいため、クール便で即日出荷が基本。

    第5章|郷土の味「水かけ菜漬け」

    水かけ菜漬け(イメージ画像)

    5-1. どんな漬物?

    水かけ菜漬けは、富士山の湧水で育った水かけ菜を塩だけで仕上げる素朴な浅漬け。手摘み→手もみで作られ、冬〜早春だけ出回る季節限定の名物です。さっぱりした塩味に、ほのかな苦みとシャキシャキ食感が生きています。

    5-2. 基本の作り方(家庭向け)

    1. 束のまま水洗いして土や砂を落とす
    2. 塩を振って軽くもみ、しんなりさせる
    3. 容器にきれいに並べ、重しを置く
    4. 一晩おく → 翌日、上下を返す
    5. 3〜4日で食べ頃(浅漬け)
      ※塩だけで素材の香り・苦みをいかすのがポイント。

    よくある疑問(洗う?塩抜きは?)

    • 食べる前に軽く洗う?
      仕上がりの塩加減や好みに応じて、さっと水洗い→軽くしぼる程度でOK。水っぽくならないよう絞り過ぎないのがコツ。
    • 苦みが気になるときは?
      刻んでから醤油+かつお節ごま油少々など、香りを添えると食べやすくなります。

    5-3. 保存と賞味の目安

    • 冷蔵:浅漬けは約1週間を目安に、清潔な保存容器で。
    • 冷凍:小分けにして密封し、自然解凍 or 炒め物に直投入が便利。旬後も楽しめます。
    • 直売や通販では、クール便&塩のみの包装で鮮度を重視。

    5-4. おすすめの食べ方

    水かけ菜漬けをご飯を食べる
    水かけ菜漬けをご飯と食べる
    • そのまま:刻んでごはんにのせ、かつお節+醤油で。
    • 汁もの:味噌汁の青み、おひたしに。
    • 加熱炒め物・チャーハン・卵とじ・パスタ。シャキ感を残したいので後入れがコツ。
    • ごはん系おにぎりの具、混ぜごはん、ふりかけアレンジにも。

    まとめ:
    塩だけで仕立てるからこそ、湧水育ちの香りと歯ざわりが際立つ一本勝負の漬物。冬〜早春の短い旬に、ぜひ現地や直売で。

    第6章|もう一つの産地:富士宮市・白糸地区

    白糸の滝(白糸の滝)
    白糸の滝(白糸の滝)

    6-1. 白糸でも育つ“湧水の青菜”

    「白糸の滝」で知られる富士宮市・白糸地区でも、水かけ菜が栽培されています。標高はおよそ500m。冬は氷点下近くまで冷え込みますが、富士山麓の湧水(年平均約13℃)を田んぼに流し続けることで凍結を防ぎ、やわらかな葉に育ちます。

    6-2. 部会×JAの加工・出荷体制

    地区には「白糸水かけ菜部会」があり、収穫した水かけ菜はJA富士宮・白糸支店の加工場で塩漬けにして出荷されます。冬は虫の心配が少ないため、無農薬で安心して食べられるのも魅力です。

    6-3. 旬と買える場所(白糸)

    栽培は10月ごろに播種翌年2月に収穫が中心。白糸支店のほか市内直売所でも販売されます。御殿場・小山町産と同様に冬〜早春の季節限定で、出回る量は多くありません。見つけたら早めの購入がおすすめです。

    ひとこと
    白糸の澄んだ水と寒さが、シャキッとした歯ざわりほどよい苦みを育てます。御殿場・小山町産と食べ比べても楽しいですよ。

    第7章|食べ方・レシピ集(かんたん&家庭向け)

    水かけ菜の下ごしらえ(イメージ画像)
    水かけ菜の下ごしらえ(イメージ画像)

    7-1. 基本の下ごしらえ

    • 洗う:砂がつきやすいので束のまま流水で丁寧に。根元も開いて洗う。
    • 刻む:歯ざわりを残したいので1〜2cm幅が目安。
    • 塩気の調整:漬物はそのままでもOK。塩味が強いときはさっと水洗い→軽くしぼる。絞りすぎると水っぽくなるので注意。

    7-2. 定番の食べ方(まずはここから)

    水かけ菜ごはん
    水かけ菜ごはん
    • 水かけ菜ごはん:刻んだ漬物+かつお節しょうゆを温かいご飯に。シンプルで一番人気。
    • おひたし:さっと熱湯に10〜20秒→冷水で色止め→水気を切ってかつお節+しょうゆ。苦みがまろやかに。
    • 味噌汁:仕上げ直前に後入れ。シャキ感が残る。
    • おにぎり/混ぜごはん:刻んだ漬物+白ごま。風味のアクセントに最適。

    7-3. フライパンでかんたん主菜・副菜

    水かけ菜ごはん、卵とじ、炒め物の三種盛りプレート
    水かけ菜ごはん、卵とじ、炒め物の三種盛りプレート
    • 炒め物:ベーコン/ウインナー/油揚げ/きのこ等とさっと炒め、水かけ菜は最後にサッと合わせるのがコツ。塩気は漬物の塩分で十分なことも。
    • 卵とじ:フライパンで出汁少々を温め、刻んだ水かけ菜→溶き卵を回し入れ。半熟で火を止める。
    • チャーハン:仕上げに刻んだ漬物を後入れしてさっと混ぜると、香りと食感が立つ。

    7-4. 麺&洋風アレンジ

    • パスタ:にんにくと油で香りを出し、ベーコン/アンチョビ等と合わせて最後に水かけ菜。レモン少々で後味すっきり。
    • サラダ:漬物を細かく刻んでポテトサラダやコールスローに混ぜると、塩味と食感が良いアクセントに。
    • 白和え/ごま和え/ナムル風:下味の塩が効いているため、調味は控えめでOK。

    7-5. ふりかけ&お茶漬けに

    • ふりかけ:みじん切り→水気をよく切ってフライパンで乾煎り→白ごま・かつお粉で調整。ごはんやおにぎりに。
    • お茶漬け:刻んだ漬物をのせてほうじ茶/だしを注ぐ。フリーズドライ商品もある。

    7-6. 保存のコツ(使い切りガイド)

    • 冷蔵:浅漬けは約1週間が目安。清潔な容器で。
    • 冷凍:小分けにして密閉。自然解凍または炒め物に直投入が便利。旬を過ぎても楽しめる。
    • 直売・通販はクール便で鮮度重視。届いたら早めに下ごしらえを。

    まとめ
    “後入れ”がシャキ感の秘訣。 塩気は加減しつつ、まずはごはん+かつお節+しょうゆから。冬〜早春の素朴なおいしさを、家庭でも手軽にどうぞ。

    第8章|似ている?でも違う!(比較ミニ図鑑)

    水かけ菜・水菜・野沢菜・菜の花の比較アイコン図
    水かけ菜・水菜・野沢菜・菜の花の比較アイコン図

    「名前や見た目が似ていて混同しやすい」葉ものを、用途・味・見た目の観点でやさしく整理します。

    8-1. ざっくり比較(用途=どう食べるか)

    • 水かけ菜
      富士山麓の湧水を“かけ流し”で冬に育てる在来の葉もの。漬物(塩だけの浅漬け)が代表。おひたし・味噌汁・炒め物・卵とじ・ごはんの友など家庭料理の応用幅が広い
    • 水菜(京野菜系)
      生食サラダや鍋の具で知られる一般的な葉もの。ピリッと軽い辛味とシャキシャキ食感で、サラダや鍋が中心。水かけ菜とは別物。
    • 野沢菜
      太めで肉厚、歯ごたえが強い。信州の野沢菜漬けに代表される“漬物の王道”。水かけ菜より茎葉がしっかりしている。
    • 菜の花
      つぼみ(花芽)を食べることが多く、苦みがやや強めおひたし・からし和え・天ぷらなどに向く。見た目は似るが品種も用途も別

    8-2. 味・食感・見た目(ミニ早見)


    • 水かけ菜=ほのかな苦み+やさしい甘み/水菜=軽い辛味/野沢菜=塩漬けでコク・旨み/菜の花=はっきりした苦み
    • 食感
      水かけ菜=茎やわらか&シャキッ(湧水栽培の恩恵)/水菜=しゃりしゃり細茎/野沢菜=肉厚で噛みごたえ/菜の花=ほどよい繊維感
    • 見た目
      水かけ菜=細めの葉・柔らかい茎(冬の青さが特徴)/水菜=細裂葉でボリューム/野沢菜=太茎・大葉/菜の花=花芽が目印

    8-3. こんなときはコレ!

    • ごはんの友・おにぎり具・味噌汁の青み水かけ菜(漬物を刻んでそのまま/後入れで食感キープ)
    • サラダや鍋で“生食・大量使い”水菜(生でシャキッ)
    • 歯ごたえのある漬物をメインで野沢菜(がっつり食感)
    • 春の苦みを楽しむ和え物・天ぷら菜の花(季節感を前面に)

    ひとことで言うと:
    水かけ菜=“湧水が育てた冬のシャキやわ青菜”。水菜・野沢菜・菜の花と味も使い道も別なので、料理の目的で選び分けると失敗しません。

    第9章|ご当地グルメ「富士山水菜カレー」

    富士山水菜カレー(イメージ画像)
    富士山水菜カレー(イメージ画像)

    9-1. どんなカレー?

    富士山水菜カレーは、御殿場産の水かけ菜御殿場コシヒカリを使ったご当地メニュー。ライスを富士山型に盛り付けるのが定番で、店舗ごとに具や味わいに個性があります。水かけ菜のほのかな苦みと青い香りがカレーのコクと好相性です。

    9-2. どこで食べられる?

    • 道の駅ふじおやま(館内レストランの提供実績あり)
    • 御殿場市内の参加店舗(※提供の有無・内容はシーズンで変動)
      「御殿場コシヒカリ×水かけ菜」を使うことが参加条件で、地域ぐるみで地産地消を進めています。

    9-3. おうちアレンジ(簡単)

    • 市販ルウの仕上げに刻んだ水かけ菜漬け軽く温めて後入れ(食感キープ)
    • 仕上げに追いオイル少量(オリーブ油など)で香りを立てる
    • ライスはお茶碗に詰めて型抜きすると“富士山盛り”にしやすい
      漬物の塩分があるため、味見しながら塩分控えめがコツです。

    ワンポイント
    旬の時期(1〜3月)に現地で味わえば、フレッシュな水かけ菜の香りがいっそう引き立ちます。

    第10章|どこで買える?(販売店・通販ガイド)

    10-1. 地元で買う

    道の駅ふじおやま
    道の駅ふじおやま
    • 道の駅ふじおやま(小山町)
      冬〜早春は水かけ菜漬けの入荷があり、阿多野など地元産の統一パッケージが並ぶことも。入荷量は日によって差があるため、午前中の来店がおすすめです。
    • ファーマーズ御殿場(直売所)/JA御殿場Aコープ
      旬の時期は生鮮(生葉)や漬物が出ることがあり、冷凍品を扱う場合も。加工品(ふりかけ・お茶漬けなど)も要チェック。
    • 富士宮(白糸地区)
      JA富士宮・白糸支店や市内直売所で、白糸水かけ菜部会による塩漬けが販売されます。御殿場・小山町産と食べ比べも楽しい。

    コツ:地元直売は朝イチが基本。天候や収穫のタイミングで入荷が変わるため、売場の掲示やSNSもチェックを。

    10-2. 通販で買う

    • JAタウン(JAふじ伊豆 ほか)
      例年、2月下旬〜3月上旬にかけてクール便・期間限定で予約販売されるケースが多いです(内容量例:500g袋など)。シーズンや在庫により変動するため、商品ページを早めに確認するのが安心。
    • ふるさと納税サイト
      返礼品として季節限定で登場することがあります(取り扱い有無は年度により変動)。

    10-3. ベストな購入タイミングと選び方

    • ベスト時期1〜3月(最盛期は1〜2月)。人気のため早期完売も。
    • 選び方:葉が青々としてみずみずしいもの、茎が細めでしなやかなものが◎。漬物は塩だけのシンプル仕立てが主流。
    • 持ち帰り:保冷バッグがあると安心。自宅に着いたら早めに冷蔵し、1週間以内を目安に食べ切ります。冷凍なら小分けで。

    ひとこと
    出会えるのは冬〜早春だけ。旅の途中で見つけたら、その場で出会った“旬”を連れて帰るのがいちばんの贅沢です。

    第11章|英語ミニガイド(観光・商品向け)

    Mizukake-na
    Mizukake-na

    Mizukake-na (水かけ菜)
    Mizukake-na—literally “water-sprinkled greens”—is a traditional winter vegetable grown in Oyama and Gotemba at the foot of Mt. Fuji. Farmers flow spring water through post-harvest rice fields during winter, which keeps the plants from freezing and gives them a tender yet crisp texture with a mild, pleasant bitterness. Pickled mizukake-na (salt-only, quick pickle) is a seasonal specialty enjoyed from December to March. You can find it at local farm stands and Michi-no-Eki Fuji-Oyama, and sometimes via JA online shops in late winter. Enjoy it simply over rice with soy sauce and bonito flakes, or add it to miso soup, stir-fries, and pasta.

    Quick facts

    • Origin: Introduced to Oyama in 1886; now a beloved local tradition.
    • How it’s grown: Winter cultivation with Mt. Fuji spring water (≈13 °C) flowing through rice fields.
    • Best season: Jan–Feb peak; also available as pickles into March.
    • Signature dish: Salt-pickled mizukake-na—crunchy, refreshing, no additives.
    • Where to try/buy: Michi-no-Eki Fuji-Oyama, local JA stores, JA Town online (limited time).

    第12章|よくある質問(FAQ)

    Q1. 水かけ菜は“生”でも食べられますか?
    下処理をしておひたし味噌汁の青みとして使うのがおすすめです。漬物はそのままでも、塩気が強いときはさっと水洗い→軽くしぼると食べやすくなります。

    Q2. 冷凍できますか?食感は落ちませんか?
    小分け冷凍は可能です。解凍後は炒め物に直投入したり、自然解凍して使うと便利。生食よりも加熱料理に向き、シャキ感はやや穏やかになります。

    Q3. ベストシーズンはいつ?どこで買えますか?
    1〜3月が目安(最盛期は1〜2月)。地元では道の駅ふじおやまや直売所、オンラインではJAタウンなどで期間限定販売が見られます。

    Q4. 「水菜」「野沢菜」「菜の花」とどう違うの?
    水かけ菜は湧水をかけ流す冬栽培の在来葉物で、ほのかな苦みとやわらかい茎が特長。水菜は生食・鍋向きの細裂葉、野沢菜は肉厚で漬物の王道、菜の花は花芽を食べる苦み系と、用途も風味も異なります。

    Q5. 家で“水かけ菜漬け”を作る塩加減と日数は?
    基本は塩だけで作る浅漬け。軽くもんで重しをのせ一晩、翌日に上下を返し、3〜4日で食べ頃です。味見しながら塩分は調整を。

    Q6. 保存期間の目安は?
    浅漬けは冷蔵で約1週間。長めに楽しみたい場合は冷凍を。届いた品はクール便が基本なので、早めに冷蔵・小分けすると扱いやすいです。

    Q7. 現地で確実に買うコツは?
    朝イチ来店が基本。天候や収穫で入荷量が変わるため、売場掲示やSNSのチェック、通販は早めの予約が安心です。

    第13章|まとめ

    水かけ菜の畑

    富士山麓の湧水(約13℃)を田んぼへ“かけ流し”にして冬に育てる、地域ならではの知恵から生まれたのが水かけ菜明治19年(1886)に小山町で始まり、いまも冬〜早春(おおむね12〜3月)にだけ出会える“春待ちの青菜”です。収穫の多くは塩だけの浅漬け「水かけ菜漬け」になり、ほのかな苦みとシャキ感でごはんのおともから炒め物、味噌汁まで幅広く活躍します。

    買うなら地元直売(道の駅ふじおやま/JA直売所)や、シーズン終盤のJAタウンの期間限定通販が有力。見つけたら朝イチ購入&早めの冷蔵、長く楽しむなら小分け冷凍がコツです。

    チェックリスト(要点おさらい)

    • 何者? 冬の水田で湧水かけ流し栽培の在来葉物=水かけ菜(別名:とうな)
    • いつ買う? 1〜3月(ピーク1〜2月)。終盤は“つぼみ付き”も。
    • どこで? 道の駅ふじおやま/直売所/JAタウン(期間限定)。
    • どう食べる? 刻んでごはん+かつお節+しょうゆおひたし・味噌汁は“後入れ”で食感キープ。
    • 保存は? 浅漬け冷蔵約1週間、長期は小分け冷凍。クール便到着後は早めに処理。

    参考情報一覧(References)

    行政・観光・農協関連

    1. 小山町観光協会「御殿場小山水かけ菜生産組合 – 水かけ菜」紹介ページ
      https://kanko-oyama.jp/member/2669/
    2. 小山町役場 産業観光課「水かけ菜の紹介」
      http://www.fuji-oyama.jp/kankoubunka_tokusanbutsu.html
    3. JAふじ伊豆「水かけ菜の歴史と栽培」
      https://www.ja-fujiizu.or.jp/localspecialty/kakouhin/mizukakena.html
    4. 静岡県公式サイト「地域の特産物(水かけ菜)御殿場市・小山町」
      https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/norinjimusho/tobunorin/1004172/1033928.html
    5. 道の駅ふじおやま 公式サイト(販売情報・季節限定商品)
      https://fujioyama.co.jp/mizukakena.html
    6. JAタウン「JAふじ伊豆 冬の特産品 水かけ菜漬け」
      https://www.ja-town.com/

    学術・文化的資料

    1. 農林水産省 郷土料理「水かけ菜の漬物 静岡」
      https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/36_5_shizuoka.html
    富士山と御殿場

    水かけ菜の関連動画

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