- はじめに|世界遺産「富士山」構成資産、北の玄関口へ
- 1. 北口本宮富士浅間神社の基本情報
- 2. 世界遺産としての価値|“吉田口の信仰拠点”が登録された理由
- 3. 由緒・歴史|1900年の物語(110年創祀〜現在)
- 4. 御祭神とご利益|木花開耶姫命の神話から読み解く
- 5. 境内モデルルート(所要時間の目安つき)
- 6. 見どころ①|参道と富士山大鳥居(木造日本最大級)
- 7. 見どころ②|随神門・社殿群(国指定重要文化財11棟)
- 8. 見どころ③|手水舎と霊水(溶岩水盤・泉瑞伝承)
- 9. 見どころ④|御神木(冨士太郎杉・冨士次郎杉・夫婦檜)
- 10. 富士講と登山信仰の核心|立行石・登山門・御師文化
- 11. 大塚丘|発祥の地を歩く(遥拝の原点)
- 12. 諏訪神社と吉田の火祭り|鎮火の祈りが受け継がれる
- 13. 御朱印・御朱印帳・授与品(お守り)
- 14. アクセス・駐車場・バス|迷わない行き方ガイド
- 15. 犬連れ・バリアフリー・トイレなど現地の注意点
- 16. 周辺観光・食事・宿泊|半日〜1日モデルコース
- 17. 富士山本宮浅間大社との違い|「南の総本宮」と「北口の起点」
- 18. よくある質問(FAQ)
- 19. まとめ|“富士山信仰の入口”を歩く価値
- 参考情報一覧
- 北口本宮冨士浅間神社の関連動画
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はじめに|世界遺産「富士山」構成資産、北の玄関口へ
富士山の麓を旅していると、ふと「空気が変わる場所」に出会うことがあります。山梨県富士吉田市に鎮座する北口本宮富士浅間神社は、まさにそんな一社です。杉木立の参道を一歩進むだけで、街の音がすっと遠のき、静けさと凛とした気配に包まれます。
この神社は、富士山信仰における重要な拠点として長い歴史を持ち、世界文化遺産「富士山」構成資産のひとつにも数えられています。単に“有名な神社”というだけでなく、富士山を「信仰の対象」として見つめてきた人々の祈りや文化が、いまも境内の随所に息づいているのが大きな魅力です。

また北口本宮富士浅間神社は、かつて富士講の人々が富士山を目指した吉田口登山道の起点でもあり、「富士登山のはじまりの場所」としても特別な意味を持ちます。参拝のために訪れる方はもちろん、登山前の安全祈願や、富士山の歴史文化に触れたい方にとっても、ここは外せないスポットでしょう。
この記事では、北口本宮富士浅間神社をはじめて訪れる方でも迷わないように、見どころ(参道・大鳥居・社殿・手水舎・御神木など)をわかりやすく整理しつつ、由緒や富士山信仰の背景、御朱印・アクセス・所要時間の目安までまとめてご紹介します。
「短時間でも満足できる回り方は?」「ご利益や御祭神は?」「富士山本宮浅間大社とは何が違う?」といった、検索でよく見かける疑問にも、順番に答えていきます。旅の計画を立てる際の“手引き”として、ぜひ最後までご覧ください。
1. 北口本宮富士浅間神社の基本情報

まずは参拝計画を立てやすいように、北口本宮富士浅間神社の基本情報を整理します。所在地は富士山北麓の山梨県富士吉田市で、富士山観光の拠点(富士山駅・河口湖周辺)からもアクセスしやすい立地です。
正式名称・読み方
- 正式名称:北口本宮富士浅間神社
- 読み方:きたぐちほんぐう ふじせんげんじんじゃ
(「浅間」を“せんげん”と読むのが一般的です)
所在地(住所)
- 山梨県富士吉田市上吉田(上吉田5558)
観光検索では「富士吉田市」「上吉田5558」「富士山大鳥居」などの語句で見つける方も多いので、カーナビや地図アプリ入力の際は住所が役立ちます。
参拝できる時間帯と受付の目安
境内自体は基本的に自由に参拝できますが、御朱印・お守りなどの授与所、祈祷受付には時間帯の目安があります。旅程を組むときは「参拝は早朝でも可能/御朱印は日中」と覚えておくと安心です。
※受付時間や対応内容は季節行事や混雑状況で変わることがあるため、訪問前に公式案内もあわせて確認するのがおすすめです。
境内の雰囲気(この神社らしさ)

北口本宮富士浅間神社の特徴は、社殿そのものだけでなく、参道の森と空気感にあります。杉や檜の巨木に囲まれた参道を歩くと、都市の喧騒から切り離されたような静けさを感じやすく、「富士山の信仰の入口に立つ」という実感が湧いてきます。
2. 世界遺産としての価値|“吉田口の信仰拠点”が登録された理由
北口本宮富士浅間神社が特別視される理由のひとつが、世界文化遺産「富士山」の構成資産であることです。富士山は「美しい山」としてだけでなく、古くから人々が祈りを捧げ、芸術や文化を生み出してきた“信仰の対象”として評価され、世界遺産に登録されました。北口本宮富士浅間神社は、その信仰を支えてきた重要な拠点として位置づけられています。
富士山を拝む文化(遥拝)と、登る文化(登拝)をつなぐ場所
富士山信仰には、大きく分けて
- 山を遠くから拝む「遥拝(ようはい)」
- 山に登って祈る「登拝(とうはい)」
という2つの側面があります。
北口本宮富士浅間神社周辺には、ヤマトタケル伝承に結びつく「大塚丘」など、遥拝の原点とされる場所が残り、さらに境内の奥には吉田口登山道の起点が控えています。つまりここは、富士山を「拝む」文化と「登る」文化が、ひと続きの流れとして感じられる、非常にわかりやすい“入口”なのです。
富士講・御師文化に支えられた“庶民の信仰”の中心
江戸時代になると、富士山信仰は武士や修験者だけでなく、一般の人々にも広がり、富士講(ふじこう)と呼ばれる民間信仰が盛んになります。北口本宮富士浅間神社は、そうした富士講の人々が登山に向かう前に身を整え、祈りを捧げる場として、長く機能してきました。
世界遺産としての価値は、建物の古さだけではなく、信仰が人々の暮らしに根づき、継承されてきた“文化そのもの”にあります。
「文化財としての社殿」と「生きた信仰」が同居している
北口本宮富士浅間神社の境内には、随神門や社殿、手水舎など、国指定重要文化財に指定されている建造物群があります。こうした文化財としての価値に加え、現在も参拝・祈祷・祭礼が続き、富士山信仰の拠点として“生きている”ことが、世界遺産の文脈で見ても大きな魅力です。
3. 由緒・歴史|1900年の物語(110年創祀〜現在)
北口本宮富士浅間神社の魅力は、参道や社殿の美しさだけではありません。富士山をめぐる信仰が、「遥拝(遠くから拝む)」から「登拝(登って祈る)」へと育っていく長い歴史の中で、この神社が重要な役割を担ってきた点にあります。ここでは、伝承も含めた“はじまり”から、現在につながる流れを押さえていきましょう。
3-1. 創祀|ヤマトタケル伝承と「大塚丘」
北口本宮富士浅間神社の起源は、景行天皇40年(西暦110年)にさかのぼると伝えられます。東国遠征の途上にあったヤマトタケルノミコトがこの地に立ち寄り、富士山を遥かに拝したことが始まり――というのが、当地に残る創祀伝承です。
この「富士山を北側から拝む」という感覚は、のちに富士山信仰が体系化されていく中でも、重要な土台になっていきます。
3-2. 遷座と社殿造営|噴火鎮護の信仰が形になる(788年)
その後、富士山の噴火などで周辺が荒れた時代を経て、延暦7年(788年)に現在の社地へ社殿が造営され、浅間大神を祀る体制が整ったとされます。
富士山は恵みをもたらす一方で、噴火という大きな脅威も抱える存在でした。浅間信仰には、富士山を“恐れる”だけでなく、鎮め、共に生きるという祈りが込められており、北口本宮富士浅間神社はその象徴的な拠点になっていきます。
3-3. 中世〜近世|富士講の隆盛と「吉田口登山道の起点」へ
平安期以降、富士山は山岳信仰・修験の対象としての色合いを強め、やがて江戸時代には、庶民の間に富士講(ふじこう)が広く浸透します。
北口本宮富士浅間神社は、富士講の人々が富士山へ向かう“登拝の入口”として機能し、境内の参道や灯籠、関連する石や伝承などにも、その痕跡が色濃く残っています。いわばここは、富士山を目指す前に心身を整える宗教的なスタート地点だったのです。
3-4. 近代以降の変遷|名称の整理と文化財としての評価
富士山信仰が近代国家の制度の中に組み込まれていく中で、神社の名称も時代に合わせて整えられ、現在の「北口本宮富士浅間神社」という呼称に至ります。
さらに近年、境内の社殿や随神門、手水舎などがあらためて高く評価され、国指定重要文化財(11棟)として保護されるに至りました。信仰の場として“生き続けながら”、文化財としても価値を認められている点は、この神社の大きな特徴です。
4. 御祭神とご利益|木花開耶姫命の神話から読み解く
北口本宮富士浅間神社を理解するうえで欠かせないのが、「どんな神様をお祀りしているのか」という点です。富士山にまつわる信仰は、単に山を拝むだけではなく、神話世界の出来事と結びつきながら、火山と共に生きる祈りとして受け継がれてきました。ここでは、御祭神とご利益を“理由がわかる形”で整理します。
4-1. 北口本宮富士浅間神社の御祭神(主に三柱)
北口本宮富士浅間神社では、富士山にゆかりの深い三柱の神様が主にお祀りされています。
- 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
富士山の女神として広く知られ、浅間信仰の中心となる神様です。 - 彦火瓊瓊杵尊(ひこほのににぎのみこと)
木花開耶姫命の夫神。天孫降臨神話で知られ、稲穂(五穀)にも関わる神格を持つとされます。 - 大山祇神(おおやまつみのかみ)
木花開耶姫命の父神で、山々を司る神として信仰されます。
富士山の麓にある神社らしく、「山」そのものと深く結びついた神々が祀られている点が特徴です。
4-2. 木花開耶姫命の神話|“火”の中で生まれる命
木花開耶姫命のご利益を語るとき、よく触れられるのが「火中出産」の神話です。
伝承によれば、木花開耶姫命は身の潔白を証明するために産屋に火を放ち、燃え盛る炎の中で無事に子を産んだとされます。
この神話が、浅間信仰における重要なテーマである
- 火難除け(火防)
- 安産
と結びつき、富士山の噴火を鎮める祈りとも重なっていきました。富士山という“火の山”を前に、人々が恐れを鎮め、平穏を願った気持ちが、この神話の象徴性の中に読み取れます。
4-3. 代表的なご利益(願いごと別に整理)
北口本宮富士浅間神社でよく挙げられるご利益は、次のように整理できます。
■ 火防・火難除け(富士山の噴火鎮護につながる祈り)
富士山信仰の根底にあるのが「火を鎮める」願いです。火の神話を持つ木花開耶姫命を祀る浅間信仰は、古くから火難除けと結びついてきました。
■ 安産・子授け・子育て
“火中出産”の神話から、安産のご利益は特に有名です。妊娠・出産を控える方だけでなく、家族の節目の参拝として訪れる方も少なくありません。
■ 縁結び・夫婦円満
木花開耶姫命と彦火瓊瓊杵尊が夫婦神であることから、縁結びや良縁祈願の対象としても信仰されています。境内の夫婦檜(めおとひのき)など、“縁”を連想させる見どころがあるのも、この神社らしい点です。
■ 家内安全・開運・心の迷いを祓う
富士山信仰は、自然への畏敬とともに「心身を整える」側面も持っています。参道の森を歩いて気持ちが落ち着く、と感じる方が多いのも、こうした背景と重なります。
5. 境内モデルルート(所要時間の目安つき)
北口本宮富士浅間神社は、参道・大鳥居・社殿・手水舎・御神木など見どころが集約されているため、短時間でも満足しやすい一方で、富士山信仰の奥行きを感じたい方は、少し足を伸ばすことで体験がぐっと深まります。ここでは、目的に合わせて回りやすいように「所要時間別」のモデルルートをまとめます。
5-1. 30〜45分コース(はじめてでも“要点”が回れる)
観光の合間に立ち寄りたい方、滞在時間が限られている方におすすめです。参道の空気感と主要スポットを無理なく押さえられます。

モデルルート
- 参道入口(鳥居)…一礼して神域へ
- 杉木立の参道…石灯籠と森の静けさを味わう
- 富士山大鳥居…規模感を実感(写真もここが人気)
- 随神門…境内中心部へ
- 手水舎…身を清める(龍・溶岩水盤に注目)
- 拝殿参拝…二礼二拍手一礼
- 御神木(冨士太郎杉など)…拝殿周辺で“この神社らしさ”を体感
- (時間があれば)授与所で御朱印・お守り
※御朱印を希望する場合は、混雑状況次第で待ち時間が出るため、余裕を10〜15分見ておくと安心です。
5-2. 60〜90分コース(見どころ+“富士山信仰の入口”まで体験)
北口本宮富士浅間神社の魅力を、観光として一段深く味わいたい方向けです。境内の主要部を丁寧に見たうえで、歴史の痕跡にも触れられます。
モデルルート
- 上記「30〜45分コース」+
- 手水舎をじっくり観察(重要文化財/龍の彫刻/溶岩水盤)
- 社殿群・彫刻・文化財ポイントを確認
- 境内奥の“富士山へ向かう気配”を感じる場所へ(吉田口登山道側)
- 立行石(伝承)など、富士講ゆかりの要素にも触れる
- (可能なら)大塚丘まで足を伸ばす/または後日の再訪候補に
「参道〜拝殿」だけで終わらせず、“ここが登拝の起点だった”という歴史的な感覚が残る回り方です。
5-3. 目的別の回り方(あなたはどのタイプ?)
■ 写真目的(静けさ・森の雰囲気重視)
- 朝の早い時間に参道から入るのがベスト
- 参道・大鳥居・随神門付近で雰囲気の違う写真が撮りやすい
■ 初詣・節目参拝(家内安全・安産など)
- 授与所・祈祷受付の時間帯を意識
- 混雑期は「参拝→御朱印は後回し」など順番を工夫するとスムーズ
■ 富士登山・富士山信仰が目的
- 拝殿参拝に加えて、登山道の起点/立行石/大塚丘の流れを意識
- “観光”よりも“信仰の入口”として歩くと理解が深まります
6. 見どころ①|参道と富士山大鳥居(木造日本最大級)
北口本宮富士浅間神社を訪れてまず印象に残るのが、参道に足を踏み入れた瞬間の空気の変化です。富士吉田の街中に近い場所にありながら、参道の入口を越えると、音がすっと遠のき、森の匂いと静けさが前に出てきます。この“切り替わり”こそが、北口本宮富士浅間神社らしい体験の始まりです。
6-1. 杉木立と石灯籠が続く参道|歩くだけで気持ちが整う

参道の両側には、樹齢を重ねた杉や檜がまっすぐに伸び、足元には苔むした石灯籠が並びます。派手な装飾ではなく、“長い時間がつくる荘厳さ”がじわじわ伝わってくる空間です。
石灯籠の多くは、江戸時代に富士山を信仰した富士講の人々による寄進とされ、ここが単なる参拝の道ではなく、富士山へ向かう人々の祈りが積み重なった場所であることを感じさせます。観光で訪れても、「ただ歩くだけで落ち着く」と感じる方が多いのは、この参道が信仰の入口として設計され、使われ続けてきた背景があるからかもしれません。
6-2. 富士山大鳥居|“富士山の神域へ入る門”のスケール感

参道を進むと、視界の先に突然、巨大な鳥居が現れます。それが富士山大鳥居です。木造鳥居としては日本最大級とされ、初めて見ると多くの方が足を止めて見上げてしまうほどの迫力があります。
鳥居に掲げられた扁額には「三国第一山」の文字。これは、日本・中国・インド(当時の世界観)において富士山が第一の名山である、という意味を込めた表現とされます。つまりこの鳥居は、神社の入口というだけでなく、「富士山そのものへ入っていく」という感覚を強く演出する存在なのです。
また、この大鳥居は一定の周期で建て替えが行われることでも知られています。長い年月をかけて受け継がれてきた“富士山の入口”が、現代も維持されていること自体が、信仰の継承を物語っています。
6-3. 参道〜大鳥居で意識したい小さな作法
ここは観光地であると同時に、信仰の場です。難しい作法は不要ですが、次の2つだけでも意識すると、歩き方が少し丁寧になります。
- 参道の入口・鳥居の前で一礼(気持ちの切り替え)
- 参道の中央を避け、端を歩く(中央は神様の通り道とされるため)
“形式”というよりも、この場所が大切にされてきた背景に敬意を払う、という感覚で十分です。
7. 見どころ②|随神門・社殿群(国指定重要文化財11棟)
富士山大鳥居をくぐり、参道の空気に身を預けながら進んでいくと、境内はいよいよ“中心部”へ入っていきます。ここで注目したいのが、北口本宮富士浅間神社が持つもう一つの大きな魅力、文化財としての価値です。境内には、随神門をはじめ、拝殿・幣殿・本殿・手水舎など、まとまった社殿群が残り、国指定重要文化財(11棟)として評価されています。
7-1. 随神門|神域の“内側”へ入る結界

参道を進む途中に立つのが随神門(ずいしんもん)です。門の左右には随神(神を守護する武人の姿の神)が安置され、ここをくぐることで「森の参道」から「神様の座す中心域」へ移っていく感覚が強まります。
写真映えのポイントとしては、門そのものを撮るだけでなく、門越しに境内を望む構図が印象的です。参道の緑と、門の重厚さが対比され、北口本宮富士浅間神社らしい“荘厳さ”が伝わりやすくなります。
7-2. 拝殿・幣殿・本殿|権現造が生む奥行き

随神門を抜けると、参拝の中心である拝殿が見えてきます。北口本宮富士浅間神社の社殿は、拝殿・幣殿・本殿が連なる構成で、一般的に権現造(ごんげんづくり)と呼ばれる様式に分類されます。
この造りの特徴は、正面から見ると堂々とした拝殿がまず目に入り、そこから奥へ奥へと建物が続くことで、“聖域が段階的に深まっていく”ような奥行きを感じられる点です。観光で訪れても、建築の迫力が体感として伝わりやすいエリアといえるでしょう。
7-3. 「重要文化財が11棟」=“点”ではなく“面”で価値がある


神社の文化財というと「本殿だけが重要文化財」というケースも多いのですが、北口本宮富士浅間神社は複数の建造物がまとまって重要文化財に指定されている点が大きな特徴です。
これは言い換えると、社殿単体の価値だけでなく、門・社殿・手水舎などが一体となって、当時の信仰空間が“面”として残っているということ。世界遺産の文脈(信仰が形づくった文化)とも非常に相性が良く、「ここに来ると富士山信仰の歴史が空間として理解できる」と感じやすい理由のひとつになっています。
7-4. 拝殿での参拝ポイント(はじめてでも安心)
作法は難しく考えなくて大丈夫です。一般的には次の流れで参拝します。
- 軽く会釈
- 二礼
- 二拍手
- 祈願
- 一礼
境内が混雑しているときは、後ろの方への配慮として、祈願は短めにまとめると気持ちよく参拝できます。
8. 見どころ③|手水舎と霊水(溶岩水盤・泉瑞伝承)

随神門を抜け、拝殿へ向かう途中で立ち寄りたいのが手水舎(てみずしゃ)です。北口本宮富士浅間神社の手水舎は、単なる「手を洗う場所」という枠を超えて、建築としても、信仰の象徴としても見ごたえがある重要スポットになっています。手水舎そのものが文化財として扱われている点も含め、この神社の“格”を実感しやすい場所です。
8-1. まず目に入るのは「富士山の溶岩」をくり抜いた水盤
ここの手水舎で特に印象的なのが、富士山の溶岩をくり抜いて作られた大きな水盤です。溶岩特有の質感は、加工された石とは違う荒々しさがあり、「富士山の素材そのものに触れている」ような感覚を与えてくれます。
富士山信仰の拠点にふさわしく、“山の恵み(伏流水)”と“火の記憶(溶岩)”が、ひとつの場所で同居している――この点が北口本宮富士浅間神社の手水舎の面白さです。
8-2. 龍の口から流れる水|「水」と「火」を整える象徴
水盤のそばには龍の意匠(吐水口)があり、そこから清らかな水が流れます。龍は古くから水や天候に関わる霊的存在として捉えられてきたため、手水舎に龍が配されるのは全国的にもよく見られますが、富士山麓の浅間信仰の場では、その意味合いがいっそう際立ちます。
富士山は“火の山”でもあります。だからこそ、ここで流れる水には、単なる清めの機能以上に、火を鎮め、場を整える象徴性が重ねられてきたと考えると、手水舎を見る目が少し変わってきます。
8-3. 霊水の背景|「泉瑞(せんずい)」など伝承が残る水の物語
北口本宮富士浅間神社では、この水にまつわる伝承(霊水の由来)も語られています。富士山の雪解け水が長い年月をかけて地中で磨かれ、伏流水として湧き出す――という自然の循環に、信仰的な意味づけが重なり、「清らかな水」として大切にされてきました。
追加資料では、霊水に関する伝承(泉瑞)にも触れられており、手水舎が“ただの設備”ではなく、物語を持つ場所であることがわかります。
※水は神聖なものとして扱われます。飲用の可否などは現地の案内に従い、無理のない範囲で楽しむのが安心です。
8-4. 正しい手水の作法(簡易版)
観光で訪れても、手水は気持ちの切り替えになります。難しく考えず、基本だけ押さえれば十分です。
- 柄杓で水を汲み、左手を清める
- 次に右手を清める
- 左手に水を受け、口をすすぐ(柄杓に直接口をつけない)
- もう一度左手を清める
- 柄杓を立てて柄を流し、元の位置へ戻す
混雑時は、周囲の流れに合わせて簡略化しても構いません。大切なのは“整えて参拝に向かう”気持ちです。
9. 見どころ④|御神木(冨士太郎杉・冨士次郎杉・夫婦檜)
北口本宮富士浅間神社を歩いていると、「建物」以上に心に残るのが、境内の巨木たちです。杉や檜が密に立つ“森の神社”らしい空気の中でも、ひときわ存在感を放つのが、古くから御神木として大切にされてきた木々。ここには、富士山信仰=自然そのものへの畏敬が、目に見える形で息づいています。
9-1. 冨士太郎杉(ふじたろうすぎ)|境内を代表する第一の御神木

拝殿近くでまず注目されるのが、冨士太郎杉です。樹齢はおよそ千年とされ、幹の太さ、空へ伸びる枝ぶりには圧倒されます。
写真で見るよりも、実際に立ったときの“上を見上げる感覚”のほうが強く、言葉より体感が先に来るタイプの見どころです。参拝の前後に少し足を止めて深呼吸すると、参道とはまた違う静けさが伝わってきます。
9-2. 冨士次郎杉(ふじじろうすぎ)|社殿のそばで歴史を見守ってきた古木
冨士太郎杉と並んで語られるのが、冨士次郎杉です。こちらも樹齢千年級の古木として知られ、境内の“時間の厚み”を象徴する存在になっています。
北口本宮富士浅間神社の社殿群が文化財として評価される一方で、こうした御神木は、さらに長い時間軸でこの場所を見守ってきました。建物の美しさと、自然の迫力が同じ空間にあることが、この神社の“特別さ”を底上げしています。
9-3. 夫婦檜(めおとひのき)|縁結びの象徴として人気

もう一つ、参拝者の関心を集めやすいのが夫婦檜です。根元は一つでありながら途中で二股に分かれ、成長の過程で再び寄り添うように一つになる――という特徴が語られ、縁結び・夫婦円満の象徴として紹介されることが多い御神木です。
「ご利益」の章で触れたように、北口本宮富士浅間神社は安産・縁結びでも知られますが、夫婦檜はそのイメージを視覚的に伝えてくれる存在でもあります。記念写真を撮る場合も、木の前で過度に騒がず、周囲の参拝者の流れを見ながら短時間で撮ると気持ちよく過ごせます。
9-4. 御神木の楽しみ方(“スピリチュアル過多”にしないコツ)
御神木は「触るとパワーが…」といった語られ方をされることもありますが、次のように受け止めると自然です。
- 千年という時間を生きた存在の前に立つ
- 森の匂い・湿度・静けさを感じる
- 富士山信仰が“自然への祈り”から生まれたことを思い出す
“何かが起きる”というより、気持ちが整う・呼吸が深くなるといった表現が適切かもしてません。
10. 富士講と登山信仰の核心|立行石・登山門・御師文化
北口本宮富士浅間神社が「富士山信仰の拠点」といわれる理由は、社殿の格式や御祭神だけではありません。ここには、富士山を“登って拝む”文化――つまり登拝(とうはい)の歴史が、境内の奥に今も色濃く残っています。観光として参拝するだけでも十分魅力的ですが、もう一歩踏み込むと、「なぜここが世界遺産の構成資産なのか」が体感として腑に落ちやすくなります。
10-1. 吉田口登山道の起点|“ここから富士山へ向かった”という事実
北口本宮富士浅間神社は、歴史的に吉田口登山道の起点として機能してきました。江戸時代、富士講の人々は白装束に身を包み、ここで安全を祈願してから山へ向かったとされます。
現代の登山の感覚でいう「登山口」以上に、ここは精神的なスタート地点――“覚悟を整える場所”だった、と捉えるとイメージしやすいでしょう。
10-2. 立行石(りっこういし)|長谷川角行の伝承が残る“修行の象徴”

境内や周辺の富士山信仰を語るときに登場するのが、立行石(立行の伝承)です。富士講の開祖的存在として語られる長谷川角行(はせがわかくぎょう)にまつわる伝承と結びつき、荒行や修行の象徴として知られています。
ポイントは、立行石が「特殊な信仰の話」ではなく、富士山信仰が広がる過程で、“修行→庶民信仰→登拝文化”へ連なっていく中の節目を示していることです。境内を歩きながらこうした要素に触れると、北口本宮富士浅間神社が単なる観光名所ではなく、信仰の歴史を背負った場所だと実感しやすくなります。
10-3. 登山門|“神社の奥”から“山の領域”へ切り替わる境界

吉田口方面へ進むと、空気感がさらに変わります。参道や社殿の整った空間から、森の奥へ吸い込まれるような気配が強まり、「ここから先は山の領域」という境界がはっきりします。
この切り替えの象徴として語られるのが登山門です。門そのものは“通過点”ですが、意味としては大きく、富士山信仰における「日常→神域→山岳修行」の流れを体感させてくれます。
10-4. 御師(おし)文化|庶民の登拝を支えた“案内役”の存在
富士山の登拝が庶民にも広がった背景には、御師(おし)の存在がありました。御師は、登拝者を迎え入れ、宿の手配や祈祷、道中の作法などを導いた、いわば信仰と旅の“総合案内役”です。
北口本宮富士浅間神社が位置する富士吉田周辺は、こうした御師文化が発達した地域としても知られ、神社はその中心的な役割を担ってきました。
ここを知っておくと、「富士登山=スポーツ」だけではなく、かつては信仰を軸にした旅だったことが見えてきます。北口本宮富士浅間神社は、その“旅の入口”として、今も変わらずそこにあるのです。
11. 大塚丘|発祥の地を歩く(遥拝の原点)


北口本宮富士浅間神社の歴史をより深く理解したい方に、ぜひ知っておいてほしい場所が大塚丘(おおつかおか)です。ここは、社殿が立ち並ぶ現在の境内とは少し離れた場所にありながら、北口本宮富士浅間神社の“はじまり”にあたる重要な地点とされています。
11-1. ヤマトタケル伝承と「富士山を拝んだ場所」
前章でも触れたように、北口本宮富士浅間神社の創祀は、ヤマトタケルノミコトが富士山を遥拝したことに始まると伝えられています。その舞台とされるのが、この大塚丘です。
当時は、富士山を直接登るという発想は一般的ではなく、遠くから山を拝む「遥拝」が信仰の中心でした。大塚丘は、そうした原初的な富士山信仰の形を今に伝える場所であり、「富士山をどう向き合ってきたのか」を考える手がかりになります。
11-2. 現在の大塚丘|静かな祈りの場
現在の大塚丘は、観光地化されたスポットというより、ひっそりとした祈りの場所という印象が強い場所です。華やかな社殿や人の多い参道とは異なり、訪れる人も比較的少なく、落ち着いた雰囲気の中で富士山信仰の原点に思いを巡らせることができます。
本殿参拝を終えたあとに立ち寄ると、
「遥拝 → 社殿参拝 → 登拝へ」
という富士山信仰の流れが、空間として自然につながっていることに気づきやすくなります。
11-3. 参拝の位置づけと注意点
大塚丘は、北口本宮富士浅間神社の発祥地・補完的な参拝地という位置づけです。必ず訪れなければならない場所ではありませんが、時間に余裕がある方や、歴史・信仰に興味がある方には強くおすすめできます。
道中は案内表示を確認しながら、無理のない範囲で訪れましょう。また、周辺は住宅地や静かな自然環境に近い場所もあるため、静かに歩き、長居しすぎない配慮が大切です。
11-4. 大塚丘が示す“世界遺産的価値”
世界遺産としての富士山は、「美しい山」だけでなく、人がどのように祈り、向き合ってきたかという文化の積み重ねが評価されています。大塚丘は、その最も原初的な段階――「登る前に、まず拝む」という信仰の形を象徴する場所です。
北口本宮富士浅間神社を訪れたあと、大塚丘の存在を知っているかどうかで、富士山の見え方が少し変わるかもしれません。
12. 諏訪神社と吉田の火祭り|鎮火の祈りが受け継がれる
北口本宮富士浅間神社を語るうえで欠かせないのが、富士山を「火の山」として畏れ、鎮め、共に生きてきた地域の祈りです。その象徴が、境内の摂社である諏訪神社、そして富士吉田を代表する祭礼として知られる吉田の火祭り(鎮火祭)です。観光で訪れる方にとっても、“富士山信仰が今も生きている”ことを実感できる大きな手がかりになります。
12-1. 諏訪神社とは?|北口本宮富士浅間神社の信仰を支える摂社
諏訪神社は、北口本宮富士浅間神社の境内にある摂社のひとつで、地域の信仰や祭礼と深く結びついています。富士山信仰は浅間神(木花開耶姫命)を中心にしつつも、土地ごとの歴史や暮らしの中で、さまざまな神々の信仰と重なりながら受け継がれてきました。
その重なりを体感しやすいのが、こうした境内社の存在です。「本殿参拝だけで終わらせない」ことで、北口本宮富士浅間神社が担ってきた役割がより立体的に見えてきます。
12-2. 吉田の火祭り(鎮火祭)|富士山の“火”を鎮める祭礼
吉田の火祭りは、富士吉田の代表的な祭礼として知られ、一般には「火祭り」の名で広く親しまれています。核にあるのは、富士山噴火への畏れと、それを鎮め平穏を願う鎮火の祈りです。
富士山は信仰の対象である一方、噴火という現実の脅威を抱える存在でもありました。だからこそ、浅間信仰には「美しい山を拝む」だけでなく、火を鎮めるという切実な願いが組み込まれています。吉田の火祭りは、その祈りが“行事”として地域に根づき、現代まで受け継がれている例といえるでしょう。
12-3. なぜ「火」なのか|浅間信仰が持つ“火と祈り”の文脈
北口本宮富士浅間神社の御祭神である木花開耶姫命には、火中出産の神話が伝えられ、そこから火難除け(火防)や安産の信仰が結びついてきました。
この神話的な“火”と、富士山の火山としての“火”が重なり合うことで、浅間信仰は「火を恐れ、火を鎮め、火と共に生きる」祈りへと育っていきます。吉田の火祭りは、その世界観をいまの私たちにもわかりやすく伝えてくれる存在です。
12-4. 旅のヒント|祭礼の時期は“事前確認”が安心
火祭りの時期は例年多くの人が訪れ、交通や周辺の混雑、参拝動線も普段と変わることがあります。見学を目的にする場合は、当日の案内(交通規制・実施場所・時間)を含め、直前に公式発表を確認しておくのが安全です。
13. 御朱印・御朱印帳・授与品(お守り)
北口本宮富士浅間神社を訪れるなら、参拝の記念として気になるのが御朱印やお守りです。特にここは世界遺産「富士山」構成資産でもあり、富士登山・火防・安産など信仰の背景がはっきりしているため、授与品にも“この神社らしさ”が表れやすいのが特徴です。ここでは、初めての方でも迷わないように、ポイントを整理してご紹介します。
13-1. 御朱印はどこでもらう?(授与所の基本)
御朱印は一般的に、境内の授与所(社務所)で受け付けています。参拝を終えてから向かうと動線が自然で、気持ち的にも落ち着いてお願いしやすいでしょう。
混雑する日(休日・初詣・祭礼時期など)は、御朱印待ちの列ができることもあるため、時間に余裕を持って訪れるのが安心です。
また、御朱印の受付時間は「境内に入れる時間」とは別に設定されるのが一般的です。早朝参拝を考えている方は、御朱印は日中に受ける前提で予定を組むと失敗が少なくなります。
13-2. 御朱印の特徴|“富士山信仰の拠点”らしい記念
北口本宮富士浅間神社の御朱印は、富士山信仰の中心地らしく、社名や印を通して「ここに参拝した」ことが端的に残るのが魅力です。
また、境内に諏訪神社があり、富士山信仰と地域の祭礼(火祭り)を支える構造があるため、訪問の目的によっては「本社参拝+境内社」まで含めて御朱印を集める方もいます(授与の可否や取り扱いは時期により変わるため、現地の案内に従ってください)。
13-3. 御朱印帳|旅の“テーマ”に合う一冊を選ぶ
御朱印帳は、旅の記録としてだけでなく、「これから巡る場所」を決めるきっかけにもなります。富士山周辺では浅間神社を巡る方も多く、北口本宮富士浅間神社を起点に、富士山信仰にゆかりの社寺を少しずつ訪ねる――という旅の組み立て方も人気です。
(御朱印帳のデザインや頒布状況は時期により変わるため、当日は授与所で実物を見て選ぶのがおすすめです。)
13-4. お守り・授与品|“火”と“登山”の神社らしいラインナップ
北口本宮富士浅間神社で関心が集まりやすい授与品は、信仰の背景から次のジャンルに整理できます。
■ 火防(火難除け)
浅間信仰の中心テーマのひとつ。富士山の噴火鎮護の祈りとも重なり、北口本宮富士浅間神社らしい授与品として選ばれやすいジャンルです。
■ 安産・子授け
木花開耶姫命の神話(火中出産)と結びつく代表的なご利益。家族の節目参拝としても相性が良いでしょう。
■ 縁結び・夫婦円満
夫婦檜の存在もあり、良縁祈願として授与品を求める方も多い傾向があります。
■ 登山安全・交通安全
吉田口登山道の起点という背景から、登山前の安全祈願は特に“この神社ならでは”。富士山に登らなくても、山歩きや旅の安全祈願として選びやすいカテゴリです。
13-5. 受け方のマナー(知っておくと安心)
御朱印やお守りは「買い物」ではなく、信仰に基づく授与です。難しいことはありませんが、次の2点だけ意識すると気持ちよく受けられます。
- 先に参拝してからお願いする(順番の基本)
- 混雑時は静かに、譲り合って待つ(特に初詣や祭礼時期)
14. アクセス・駐車場・バス|迷わない行き方ガイド
北口本宮富士浅間神社は、富士山駅・河口湖ICから近く、公共交通でも車でも行きやすいのが大きな魅力です。ここでは「徒歩」「バス」「車」の順に、迷いにくい形で整理します。
14-1. 電車+徒歩|富士山駅から徒歩約20分が目安
最寄り駅は富士急行線「富士山駅」です。駅から神社までは、徒歩で約20分が目安とされています。
「時間をかけて参道の空気感に入っていく」楽しみ方もできますが、荷物が多い日や天候が悪い日はバス利用が無理がありません。
14-2. 電車+バス|「浅間神社前」下車すぐ(徒歩約1分)
富士山駅からバスを使う場合は、「浅間神社前」で下車すると、神社までは徒歩すぐ(約1分)の案内が一般的です。
バスの本数や時刻は季節・曜日で変わるため、出発前に時刻表検索(乗換案内)で確認しておくと安心です。
14-3. 車|河口湖IC/富士吉田ICから約3km(5〜10分目安)
車の場合は、以下が分かりやすい目安になります。
- 中央道 河口湖IC から約3km(約5〜10分)
- 東富士五湖道路 富士吉田IC から約3km(約5〜10分)
公式の交通案内では、方面別(東京方面/御殿場方面など)のルートも整理されています。カーナビ利用の方は、念のため公式案内も確認しておくと迷いにくいです。
14-4. 駐車場|無料・普通車140台が目安(混雑日は早めが安心)
駐車場は無料で、普通車は約140台が目安として案内されています。
ただし、初詣や行事、連休などは満車になりやすいので、混雑が予想される日は朝早めの到着が安心です。
14-5. 迷わないコツ(はじめての方向け)
- 地図アプリ入力は 「北口本宮冨士浅間神社」(または住所:富士吉田市上吉田5558)で検索
- バス利用は 「浅間神社前」下車を覚えておく
- 御朱印や授与所目的なら、到着時刻は日中寄りに(受付時間の都合)
15. 犬連れ・バリアフリー・トイレなど現地の注意点
北口本宮富士浅間神社は、参道や境内が広く自然豊かなぶん、行く前に「犬連れは大丈夫?」「段差はある?」「トイレはどこ?」といった実務面が気になる方も多いと思います。ここでは、現地で困りやすいポイントをまとめて整理します。
15-1. 犬連れ参拝は可能?|境内はOK、拝殿(昇殿)はNG
北口本宮富士浅間神社は、犬を連れて境内を歩いて参拝すること自体は想定されていますが、公式のお知らせで 「拝殿へは(抱っこやケース等を問わず)動物をお連れでの昇殿は控えてください」 と明確に案内されています(信仰上の理由)。
あわせて、境内の清浄維持のために 排泄物処理・マーキング等のマナー徹底を呼びかけています。
犬連れの場合は、最低限ここを意識すると安心です。
- 必ずリード着用(短め推奨)
- 排泄は事前に済ませる/処理袋を携帯
- 社殿周り・混雑時は抱っこ等で配慮
- 建物内(拝殿等)へは入れない前提で計画
15-2. バリアフリー|「車椅子可」だが、砂利・段差は想定しておく
観光案内では「車椅子可」とされる一方、県の福祉マップでは 重要文化財の建物であること等からバリアフリー整備が難しい 旨が明記されています。
現地は、石畳・砂利・段差が混在しやすいタイプの境内です。車椅子やベビーカーでの参拝は、次のように考えると失敗が少ないです。
- 砂利の区間は押しにくい(介助があると安心)
- 段差がある前提で、無理に奥まで攻めない
- 目的は「拝殿に近い場所で参拝できればOK」と割り切ると満足度が高い
※境内案内図(PDF)も公開されているので、事前に「トイレ・駐車場・主要スポットの位置関係」を把握しておくと当日が楽です。
15-3. トイレ|「あり」+ 車椅子利用に関する案内もあり
トイレは設置されています(観光ガイドでも「トイレ:あり」と案内)。
また、県の福祉マップでは 車椅子使用者が利用できるトイレの項目が確認できます。
15-4. 混雑時の実用ポイント(初詣・連休・祭礼)
- 犬連れは早朝〜午前中が比較的動きやすい(人が増えるほど難易度UP)
- 御朱印・授与所目的なら時間に余裕を確保(並ぶ前提で動く)
- 車の場合、公式の交通案内では駐車場が複数案内されており、祭典時は臨時駐車場がある旨も記載されています。
16. 周辺観光・食事・宿泊|半日〜1日モデルコース
北口本宮富士浅間神社は、富士吉田〜河口湖エリアの動線に組み込みやすく、「参拝+もう1〜2スポット」で満足度が上がりやすい立地です。ここでは、目的別に回りやすい組み合わせをご紹介します。
16-1. 半日モデル(午前)|参拝+吉田名物で締める

おすすめの流れ(3〜4時間)
- 北口本宮富士浅間神社(参道〜社殿〜手水舎まで)
- 富士山駅周辺へ移動(徒歩・バス)
- 吉田のうどんで昼食
吉田のうどんは「強いコシ(硬さ)」が特徴で、味噌・醤油ブレンド系のつゆ、キャベツや馬肉のトッピングが定番と紹介されています。参拝後の食事としても“地域性”がはっきりしていて相性が良いです。
16-2. 1日モデル(王道)|参拝+絶景+道の駅で「富士山の水」




おすすめの流れ(6〜8時間)
- 北口本宮富士浅間神社(60〜90分)
- 道の駅 富士吉田(買い物+水汲み/休憩)
- 河口湖 富士山パノラマロープウェイ(展望+写真)
- 河口湖周辺で夕景(時間があれば)
道の駅富士吉田は、富士山の水に触れる体験として「水汲み場」が紹介されており、旅の“富士山らしさ”を補強しやすいスポットです。
パノラマロープウェイは河口湖と富士山の眺望が楽しめ、半日以上確保できる日に組み込みやすい定番です。
16-3. 1日モデル(文化寄り)|御師文化・街歩きとセットで深掘り
「富士山信仰の入口」という記事テーマを強めたい場合は、富士吉田市内の“御師文化”や歴史系スポットと組み合わせると、理解が立体的になります(周辺観光として紹介される施設群あり)。
16-4. 宿泊の考え方(選びやすい2方向)
- 富士山駅〜富士吉田市街に宿泊:翌朝早い参拝・街歩きに強い
- 河口湖エリアに宿泊:湖畔の景観・ロープウェイ・遊覧船など観光の幅が出る
17. 富士山本宮浅間大社との違い|「南の総本宮」と「北口の起点」


「浅間神社」と聞くと、静岡の富士山本宮浅間大社を思い浮かべる方も多いと思います。結論から言うと、両社は“どちらが上”という話ではなく、富士山信仰を支える役割が違うと捉えると分かりやすいです。
17-1. 位置づけの違い
- 富士山本宮浅間大社(静岡・富士宮)
全国に多数ある浅間神社の中で「総本宮」とされる、富士山信仰の中心的存在。 - 北口本宮富士浅間神社(山梨・富士吉田)
富士登山道「北口(吉田口)」の“本(もと)のお宮”=起点という性格が強く、登拝(富士登山信仰)の入口として語られる。
17-2. 参拝体験の違い(観光目線で)


- 北口本宮富士浅間神社は、杉木立の参道〜大鳥居を抜けていく体験が「森の神域に入る」感覚を強めます。さらに吉田口登山道の起点という文脈があるため、「ここから富士山へ向かった」歴史を感じやすいのが特徴です。
- 富士山本宮浅間大社は、富士宮の街と一体になったようなスケール感があり、境内には湧玉池(富士山の伏流水が湧く池)など「水」と結びつく見どころが強調されることが多いです(噴火を水で鎮める発想に触れた解説もあります)。
17-3. 御祭神は共通項が大きい(ただし“語られ方”が違う)
どちらも主祭神として 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと) をお祀りする点が大きな共通項です。
一方で、北口本宮富士浅間神社は「安産・火防」といった神徳や、富士講・登山信仰の文脈(吉田口の起点)と結びついた説明が前面に出やすいのが特徴です。
17-4. どちらに行くべき?(迷ったときの選び方)
- “森の参道”“登山道の入口”“富士講の歴史”を感じたい → 北口本宮富士浅間神社
- “総本宮”“湧水・水の景観”“富士宮観光とセット”で楽しみたい → 富士山本宮浅間大社
もちろん時間があれば、「北(起点)」と「南(総本宮)」を両方参拝すると、富士山信仰が“面”で見えてきて理解が一気に深まります。
18. よくある質問(FAQ)
Q1. 北口本宮富士浅間神社は何の神様?ご利益は?
主に木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を中心にお祀りし、富士山信仰(浅間信仰)の拠点として知られます。ご利益は、信仰背景から 火防(火難除け)・安産・縁結び・家内安全 などが代表的です。
Q2. 所要時間はどれくらい?
目安は次の通りです。
- 30〜45分:参道〜大鳥居〜拝殿参拝+御神木まで(要点のみ)
- 60〜90分:上記+手水舎を丁寧に+境内奥(富士山信仰の要素)まで
- +α:大塚丘まで足を伸ばす場合は、移動時間も含め余裕をみると安心です。
Q3. 参拝できる時間は?御朱印はいつもらえる?
境内は基本的に自由に参拝できますが、御朱印・授与所・祈祷受付は時間帯の目安があります。早朝参拝を予定している場合は、御朱印は日中に受ける前提で組むと失敗が少なくなります。
※受付時間は季節行事などで変わることがあるため、訪問前に公式案内の確認がおすすめです。
Q4. 御朱印はどこでもらう?混雑する?
御朱印は一般的に授与所(社務所)で受け付けています。休日や初詣、祭礼時期は並ぶ場合があるため、時間に余裕を持つのが安心です。
Q5. 犬連れ参拝は可能?注意点は?
境内を犬と一緒に歩く参拝は可能ですが、公式案内で 「拝殿へは(抱っこやケース等を問わず)動物をお連れでの昇殿は控えてください」 と明記されています。
また、排泄物処理やマーキング等のマナー徹底も呼びかけられています。
Q6. 車椅子・ベビーカーでも行ける?
観光案内では「車椅子可」とされる一方、福祉マップでは 重要文化財の建物であること等からバリアフリー整備が難しい 旨の記載があります。
境内は砂利・段差が混在しやすいので、介助があると安心です。無理に奥まで行かず、参拝の中心部を優先すると満足度が高くなります。
Q7. 駐車場はある?無料?
駐車場は無料で、普通車は約140台が目安として案内されています。
繁忙期(初詣・連休・祭礼など)は満車になりやすいので、早めの到着が安心です。
Q8. 富士山は見える?
境内は森に包まれているため、場所や季節・天候によって見え方が変わります。富士山の眺望を主目的にする場合は、河口湖周辺の展望スポットやロープウェイなどと組み合わせると満足度が上がります。
Q9. 富士山本宮浅間大社との違いは?
富士山本宮浅間大社は全国の浅間神社の総本宮とされ、北口本宮富士浅間神社は富士登山信仰における北口(吉田口)の起点という性格が強い、と整理すると分かりやすいです。
19. まとめ|“富士山信仰の入口”を歩く価値
北口本宮富士浅間神社は、富士山の麓にある数多くの神社の中でも、「富士山信仰の入口」という役割がはっきりした特別な場所です。杉木立の参道を歩き、木造日本最大級ともいわれる富士山大鳥居をくぐる体験は、観光としての高揚感がありながら、同時に気持ちが整っていくような静けさも感じさせてくれます。
境内には、随神門や社殿群、手水舎など、国指定重要文化財(11棟)として評価されている建造物がまとまって残り、建築・歴史の面から見ても見ごたえがあります。さらに、富士山の溶岩をくり抜いた水盤を持つ手水舎や、冨士太郎杉・冨士次郎杉といった御神木など、富士山の「火」と「水」、そして自然への畏敬が同居する景色が、この神社ならではの魅力を形づくっています。
そして何より、北口本宮富士浅間神社は、かつて富士講の人々が山へ向かった吉田口登山道の起点であり、立行石や登山門、御師文化といった要素を通して、富士山が“登る山”である以前に“祈りの山”であったことを実感させてくれます。大塚丘まで視野を広げれば、「遥拝から始まった富士山信仰」が、時代を超えてここにつながっていることも見えてくるでしょう。
参拝の所要時間は短くても要点を回れますが、時間に余裕がある日は手水舎や御神木を丁寧に見て、富士山信仰の背景を意識しながら歩くと、旅の印象が一段深まります。御朱印や授与品、アクセス、犬連れ参拝など実務面も含め、事前にポイントを押さえておけば、初めてでも安心して訪れられます。
最後に、御朱印の受付時間や祭礼時期の交通規制などは、季節や行事で変わることがあります。訪問直前に公式案内を確認しつつ、富士山北麓の森に包まれたこの場所で、ぜひ“富士山の入口”ならではの時間を味わってみてください。
参考情報一覧
公式・神社関連
- 北口本宮冨士浅間神社 公式サイト
https://www.sengenjinja.jp/
(由緒、御祭神、祭礼、御朱印・授与品、参拝案内)
世界遺産・文化財(公的機関)
- 文化庁|富士山―信仰の対象と芸術の源泉
https://bunka.nii.ac.jp/special_content/hlinkD
(世界遺産としての位置づけ・構成資産) - 富士吉田市|北口本宮冨士浅間神社(文化財案内)
https://fujiyoshida.net/spot/23
※市公式サイト内の文化財・観光ページ
(重要文化財11棟、歴史的背景)
観光・アクセス情報
- 富士吉田市観光ガイド
https://fujiyoshida.net/
(アクセス、周辺観光、吉田の火祭りなど) - 富士急行線 公式サイト
https://www.fujikyu-railway.jp/
(富士山駅、電車アクセス) - 富士急バス 公式サイト
https://bus.fujikyu.co.jp/
(富士山駅〜浅間神社前の路線・時刻表)
祭礼・民俗文化
- 山梨県公式観光サイト|吉田の火祭り
https://www.yamanashi-kankou.jp/fujiyoshida/event/yoshida_fire_ceremony.html
(鎮火祭・祭礼の概要、開催時期)
バリアフリー・福祉情報
- やまなし福祉マップ(山梨県)
https://www.pref.yamanashi.jp/shogai-fks/fks-map/
※福祉マップ内
(車椅子利用、トイレ情報、バリアフリー対応の注意点)
比較参照(浅間神社総本宮)
- 富士山本宮浅間大社 公式サイト
http://www.fuji-hongu.or.jp/sengen/
(総本宮としての位置づけ、比較参照用)




